カレマネ
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20リクルート カレッジマネジメント193 / Jul. - Aug. 2015世界の中で最も多くの留学生を受け入れているアメリカの受け入れ留学生数は、国際教育協会(IIE)によれば2013/2014年度に88万6052人であった。これは前年比から8.1%の増加であり、留学生を受け入れた経済効果は260億8800万米ドルであると試算されている。しかしながら、アメリカの世界における留学生占有率に目を向けると、2001年に全体の28%であったのが、2014年には20%に落ちており、ほかの受け入れ国の台頭を意味している(図表2)。その証拠に、2001年にはアメリカに続き、イギリス、ドイツ、フランス、オーストラリア、日本、ベルギー、スペインが上位8カ国であったのが、2014年にはイギリス、中国、フランス、ドイツ、オーストラリア、カナダ、日本に変わっている。この背景には、欧米を中心とする受け入れ国のなかで、アメリカが2011年の同時多発テロ事件以降、留学生の受け入れに慎重になったのに対し、イギリスとオーストラリアはそうではなかったこと、また留学後の就業機会が、アメリカに対して特にオーストラリアは多いといったことが留学生を惹きつけている要因になっているとする分析がある(Choudaha & de Wit,2014)。他方、新たな受け入れ国として台頭が目覚ましい中国の存在を無視することはできない。中国は2001年には上位国には含まれていなかったが、今日、世界の留学生総数は450万人(Project Atlas & OECD, 2014)となり、留学生政策は各国の政治経済的戦略として外交・文化政策のもとに展開されるようになっている(図表1)。経済協力開発機構(OECD)によれば、2025年には世界全体の高等教育需要は2億6200万人になるとしており、そのなかで世界の留学生総数は800万人になると予測している。本稿ではこうした近未来の留学生の動きと政策動向をふまえ、日本の高等教育機関の立ち位置を考える。杉村 美紀 上智大学 総合人間科学部 教授グローバル化の影響は?図表1 世界の留学生数の推移(1975-2012)(単位:百万人)原典:OECD and UNESCO Institute for Statistics出所:OECD, Education at a Glance 20141975年 0.8 1980年 1.1 1985年 1.1 1990年 1.3 1995年 1.7 2000年 2.1 2005年 3.0 2010年 4.2 2011年 4.4 2012年 4.5 新興国の台頭が目立つ、世界の留学生動向2025年に向けた留学生動向と日本の高等教育機関の国際化世界の留学生動向予測●PROFILE専門は比較教育学、国際教育学。博士(教育学・東京大学)。外務省専門調査員、国立教育政研究所研究協力者、広島大学教育開発国際協力研究センター客員研究員等を経て2002年より上智大学に勤務。2014年より同学術交流担当副学長。

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