カレマネ
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21リクルート カレッジマネジメント193 / Jul. - Aug. 2015この10年ほどの間にアメリカ、イギリスに続いて世界の留学生の8%を受け入れるまでになっている。中国は留学生の送り出し国としても既に筆頭にあり、アメリカにおける中国人留学生の数は27万4439人(2013/2014年度)とアメリカにいる留学生全体の31%を占めている。この数値は2位のインドが10万2673人で前年比6.1%であることと比較しても突出しており、しかも前年度と比べて16.5%の伸び率となっている。このように世界の留学生移動は急激に変容しつつある。ちなみに今日、世界中の留学生の30%を占めるのは、中国、インド、韓国、ドイツ、サウジアラビアであり(図表3UNESCO, 2014)、こうした留学生送り出し新興国の登場によって世界の留学生地図は塗り替えられつつある。地域別に見ると、ヨーロッパは世界全体の留学生の24%を送り出しているが、ヨーロッパの学生はEUが展開してきた留学プログラムであるエラスムス計画※の影響もあり、ヨーロッパ地域内に留学している者が多く、現在2020年までの予定で展開されているエラスムス・プラス※により引き続きこの傾向は続くものと考えられる。また最近ではアメリカからヨーロッパへの移動も顕著になっている。特にドイツは、英語コースの開設と授業料の低さから多くの留学生を惹きつけるようになっており、トルコ、中国、ロシア等からの留学生がヨーロッパへ多く留学するようになっている。中東及び北アフリカ諸国は、アメリカ留学をはじめ、フランス、イギリスといった欧米先進国人気に加え、中東諸国の政府が留学奨学金を付与して送り出す事例もみられるようになっている。またここ数年はアジアを中心とする非欧米圏への留学も急増しており、特に東南アジアのマレーシアへの留学は、同国がとるイスラム文化圏との交流拡大と留学政策によりイラン、イエメン、イラン等からの留学が顕著である。サブ・サハラアフリカでは英語圏の国々が南アフリカに特集 2025年の大学図表2 世界の留学生受け入れ主要国とその割合● 2001年(留学生総数210万人) ● 2014年(留学生総数450万人) 出所: Project Atlas & OECD (2014) アメリカ 28(%) アメリカ 20(%) その他 34 その他 34 イギリス11 ドイツ9 ドイツ6 フランス7 フランス7 オーストラリア4 オーストラリア6 カナダ5 ベルギー2 スペイン2 スペイン2 ニュージーランド1 日本3 日本3 イギリス11 中国8 国名人数中国694,400インド189,500韓国123,700ドイツ117,600サウジアラビア62,500フランス62,400アメリカ58,100マレーシア55,600ベトナム53,800イラン51,600図表3 世界の留学生送り出し主要国(2012年時点)出所:UNESCO Institute of Statistics (2014)※エラスムス計画、エラスムス・プラス:異文化理解及び交流や連携を深めることを目的に、欧州連合 (EU) が実施している留学奨励制度。

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