カレマネ
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332014年のSGU採択により更なる具体化を遂げた。目標とする改革は「TOYO GLOBAL DIAMONDS」と名付けられ、事業補助が行われる10年間で「グローバルリーダーの集うアジアのハブ大学」を目指す計画である。事業名称は、ダイヤモンドの原石である学生を磨き、輝きを放つグローバル人財へと成長させる、との教育目標に由来する。また、現在はピラミッド型である全学のグローバル化構造に対して、エリートから中核人材まで幅広く育成するプログラムを展開することで、総体的な底上げを実現しようとする意図も込められている。即ち、中間層が厚みを増し、頂点も高くなって、あたかもダイヤモンドの形のような人材集団が形成されるとのイメージである(図1)。同事業計画では、分厚い中間層を形成するための幅広い学生を対象にしたプログラムの展開や、リーダー層の育成を図るための先進的な教育組織の新設が掲げられた。具体的な施策例としては、「国際通用性の高い教育プログラム」としてUMAP(アジア太平洋大学交流機構)の活用及び国際編入制度の確立に基づくアジア版エラスムスの実現、「普遍的な全世代グローバル教育」としてUCLA等との連携のもと幼稚園からシニア層までを対象とした英語教育の展開、「持続可能な教育プラットフォーム」として各種国際機関や企業との協力による「東洋グローバルアライアンス」の確立と、それを基盤とした独立採算型の事業法人「株式会社東洋グローバルダイヤモンド(仮称)」の設立等の教育システム・インフラの改革が構想されている。新基盤教育カリキュラムの始動と3つの新学部構想2016年度には「TOYO GLOBAL DIAMONDS」を支える新基盤教育(教養教育)カリキュラム「東洋大学スタンダード」が始動する。新基盤教育では、哲学教育、国際化、キャリア教育の3つの柱をつなぎ、グローバル人財の育成をより確かなものとする目的で、既存の教育科目の根本的な再編が行われる。具体的には、グローバル人財に必要な素養として設定された7つの目標を、「哲学・思想」「学問の基礎」「国際人の形成」「キャリア・市民形成」「総合・学際」の5つの領域で育成する(図2)。例えば「国際人の形成」領域には、コミュニケーション関連科目や異文化理解に関する科目のみならず、伝統文化等の日本人としてのアイデンティティを理解するための科目も含まれる。また「哲学・思想」領域では、東洋大学の歴史と伝統、創立者の考えを学ぶとともに、東西の哲学を通じて、自ら考え、判断し、行動する能力を身につけることを目指している。さらに2017年度には、全学のグローバル化を先導する新たな学部として、国際学部(仮称・以下同)、国際観光学部(仮称・以下同)、情報連携学部(仮称・以下同)の設置が構想されている。国際学部はグローバル・イノベーション学科(仮称・リクルート カレッジマネジメント193 / Jul. - Aug. 2015特集 2025年の大学図110年後の東洋大学のあるべき姿―「TOYO GLOBAL DIAMONDS」構想図2グローバル人財の育成に向けた新基盤教育カリキュラム7つの目標と5つの領域
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