カレマネ
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38いになった。「正のスパイラル」が機能し始め、変化の手応えを感じるようになったと大谷常務理事は述べる。こうした動きを牽引していったのがマスタープラン(MP)の策定・運用だった。5ヶ年計画の3年見直しを繰り返し、今年は第6次MPの3年目。現在、第7次のMP策定に向けた作業が進む。先述の通り、MPは、単年度の行動計画(AP)に落とし込むとともに、その実行を担保する予算編成とも連動されている(図表2)。そのためのPDCAサイクルを動かすのは執行部だけではない。教職員が協働して関係する仕組みが整っている。そもそも、MPは「マスタープラン策定委員会」での議論を通して策定される。委員会には教職員による陪席が自由で、そこで質問や意見を述べることも可能だ。議事録も全員に配布し、学内における情報の公開と共有を促している。情報公開が重視されているのは、計画実行の段階においても同じだ。AP実行には、予算全体の約3割に当たる特別予算が組まれていて、そのうち教育研究予算の査定には教員も参加する。毎年、学科長や部長職20名ほどで構成される予算委員会が開催する審査会で要求者がプレゼンし、一定の基準で点数化・順位づけして査定を行うそうだ。2015年度を例にとれば、新領域研究の育成支援や先端機器の導入等に予算配分が認められている。基本的な査定基準は、戦略遂行につながるか、教育の質向上につながるか、学生のためになるかどうかといった点だ。学科内で十分に情報共有されているかどうかも勘案する。予算申請者が説得的に説明できなければ予算はつかないと山下事務局長は説明する。他方、他学科に水平展開し、教育改善につながることが期待できるものは少額でも採択されているという。こうした一連の取り組みから見えてくるのは、大学経営に対する教職員の「当事者」意識を育もうとする福工大の姿勢だ。一部の関係者だけに留めるのでなく、大学全体で情報共有とそれによる合意形成を意識して進めてきたと大谷常務理事は強調する。さらに、成果は「教育・研究活動報告書」の作成を通して大学外にも情報発信している。近年では発信する内容も、建物等のハード面から、学生支援や教育内容といったソフト面に変わったという。それだけ実質的な取り組みが増えてきたということだろう。高校訪問でも在学生の活動状況を報告するなど丁寧に対応している。高校の先生達とのリクルート カレッジマネジメント193 / Jul. - Aug. 20150 1000 2000 3000 4000 5000 6000 7000 8000 9000 10000 2015 2014 2013 2012 2011 2010 2009 2008 2007 2006 2005 2004 2003 2002 2001 2000 1999 1998 第1次 第2次 第3次 第4次 第5次 第6次 改革期 成長期 変革期 (人) (年度) 学園全体 城東高校 短期大学部 大学 6684 4724 1357 603 6069 4116 1373 580 5967 4193 1323 451 6418 4690 1275 453 5683 4421 979 283 5542 4282 1001 259 5291 4031 984 276 5102 3751 1111 240 4878 3313 1313 252 5300 3644 1426 230 5675 3726 1726 223 6319 4230 1897 192 7085 4519 2274 292 7522 4851 2357 314 7891 5218 2330 343 8223 5590 2247 386 9073 6343 2384 346 9286 6564 2260 462 図表1 マスタープランの策定と志願者数の推移

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