カレマネ
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44リクルート カレッジマネジメント193 / Jul. - Aug. 2015現在、私達は、激しいグローバル化のうねりの中にいます。しかし、グローバル化という点で、わが国に最大の波が押し寄せた時代はいつかといえば、明治維新をおいてほかにありません。当時、近代国家を目指し、欧米諸国の思想、文化、体制の導入を急ぐあまり、日本文化をないがしろにする風潮が興りました。一方で、わが国が独立した国家として発展していくには、欧風の単なる模倣ではなく、自国の歴史・民族性に基づくものでなければならないという気運も興り、そうした気運を背景として、1882年(明治15年)、「皇典講究所」が創立。日本の古典を研究するこの研究機関が、本学の母体です。後に1920年の大学令により、日本初の私立大学のひとつとして、國學院大學は開学いたしました。グローバルな時代だからこその「日本を学ぶ」國學院とは、「国学」の院ということであって、「国」の学院という意味合いではありません。「国学」というものを端的に申し上げるならば、「日本人の、日本人による、日本を研究する学問」といえましょう。従って本学は、学問分野を大学名に冠した、数少ない大学ということができます。本学は、神道精神を研究・教育の理念としています。神道精神の本質とは、「日本人としての主体性を保持した寛容性と謙虚さ」です。これが日本人本来の心性であり、心ばえであると思われますが、昨今、急激にグローバル化が進展する中で、この精神が無自覚になってはいないだろうか? 本学にはそのような問題意識があります。併せて、本学の教育の特色をいっそう鮮明に打ち出すため、「日本文化体験型授業」を2年前より設置しました。それは、教養総合科目の中に展開する「國學院科目」という科目群で、「日本の基層文化」「國學院の学問」「和の心・技・体」「ことのはの文化」という4科目で構成されています。これらの中での和室の立ちあかい・ますひさ氏1950年生まれ1976年早稲田大学第二文学部東洋文化専修卒業1978年國學院大學大学院文学研究科博士課程前期修了1983年國學院大學大学院文学研究科博士課程後期満期退学1985年國學院大學文学部専任講師1988年國學院大學文学部助教授1996年國學院大學文学部教授2001年國學院大學教務部長 学校法人國學院大學評議員2007年國學院大學副学長 学校法人國學院大學理事2011年4月1日より現職独立法人大学評価・学位授与機構認証評価専門委員(~2011年3月)中国古典学会理事、日本中国学会理事。文学博士。國學院ブランドの確立と強化を目指して國學院大學 学長赤井 益久

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