カレマネ
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46本稿では、2016年卒の大卒求人倍率調査(2015年4月22日)の結果についてご紹介したい。大卒求人倍率は4年連続上昇2016年卒の大卒求人倍率調査(大学生・大学院生対象)の結果によると、大卒求人倍率は1.73倍と、前年の1.61倍より+0.12ポイント上昇した。2012年3月卒(1.23倍)以来4年連続の上昇となった。求人倍率は求人企業と民間企業に就職希望する学生数とのバランスで決まるので、両者の動向についてみておきたい。求人数は、前年の68.3万人から71.9万人へと3.6万人増加した。対前年増減率でみると+5.4%であり、前年の増減率(+25.6%)よりも鈍化しているが増加している。(詳しくは図表1)。一方、学生の民間企業就職希望者数は、前年42.3万人とほぼ同じ水準の41.7万人であった(対前年増減率は-1.5%)。求人倍率の上昇に対しては、求人数の増加が大きく貢献している。求人数の伸びは明暗があるものの、前年実績よりは増加求人数の増加が前年より鈍化している背景についてみてみたい。まず、求人数の対前年増減率を業種別に見る(図表2)と、製造業の+10.8%を筆頭に、流通業+5.6%と増加している業種がある一方、建設業は-3.8%、金融業は-2.6%と、減少している業種もある。また、サービス・情報業は前年とほぼ横ばい(-0.1%)の求人数である。前年の2ケタを超える増減率に比べて、求人数の伸びは鈍化しているといえる。求人数の減少している業種の動向をみるため、2015年卒の新卒採用における充足率(図表3)を見てみたい。充足率とは、当初予定していた採用人数(求人数)に対してどれくらい採用できたかを示す数値である。充足率は製造業99.3%、流通業95.5%と高い水準である一方、建設業88.8%、金融業87.3%、サービス・情報業85.4%となっており、2016年卒の求人数が減少している業種では、前年の新卒リクルート カレッジマネジメント193 / Jul. - Aug. 2015調査目的2016年3月卒業予定の大学生及び大学院生に対する、全国の民間企業の採用予定数の調査、及び学生の民間企業への就職意向の調査から、大卒者の求人倍率を算出し、新卒採用における求人動向の需給バランスを明らかにする。【企業】調査対象:従業員規模5人以上の全国の民間企業6,977社調査項目:2016年3月卒業予定者の採用予定数調査期間:2015年2月16日~3月16日回収社数:4,192社(回収率60.1%)【学生】調査対象:2016年3月卒業予定者を対象とした「就職に関するアンケート」の結果をもとに、従業員規模別、業種別の就職希望者数を推計した。集計サンプル数:大学生 3,849人 大学院生 543人調査期間:2015年1月14日~3月11日●調査概要●戸田淳仁 リクルートワークス研究所 主任研究員・主任アナリストリクルートホールディングスワークス大卒求人倍率調査 (2016年卒)大卒求人倍率でみる2016年卒の就職動向

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