カレッジマネジメント194号
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55のが教職員共通の認識だと学長は述べる。必ずしもブランド醸成を意識してきたわけではない。学生の活動はもちろん、就職にもスポーツにも力を入れてきたことが、いつの間にか京産大のブランド力をつける結果になったのではないか。それが大城学長の見立てだ。そもそも京産大は創立当初から元気な学生が多かったそうだ。当時は今ほど大学に知名度がなかったが、学生の元気さには定評があった。企業説明会ではいつも京産大の学生が最初に質問してくると人事関係者に言われるほど、「明るい、元気、やる気」というイメージでやってきたと大城学長は言う。その根本にあるのは、キャンパスが位置する丘陵地を冠する「神山(こうやま)スピリット」と呼ばれる精神だ。現在キャンパスのシンボル的存在になっている天文台は「神山天文台」、約13万6000人の卒業生を擁する同窓会は「神山会」だ。そんな名称に象徴されるように、「神山」の下で学内構成員に広く共通する風土が育まれてきたと大城学長は述べる。ふり返ってみれば、京産大は、この「神山スピリット」を常に底流にしつつ、各時代に即したスローガンを戦略的に打ち出して成長を促してきた。40周年を迎えた2000年代、京産大は「パワーユニブ」、つまり「力のある大学」となることを目指した。自由な気風の中で学生がしっかりと鍛えられ、成長できる大学として認められるようになったと大城学長はふり返る。そして2010年には‘Keep Innovating.’を掲げた。「型やぶりな挑戦」を続けることで個性的な大学を生み出すべくやってきたというわけだ。それと同時に、大学のブランドやイメージの構築にスポーツが果たす役割も大きかった。京産大は伝統的に野球やラグビーが強く、バンカラなイメージがあったと大城学長は言う。それが、90年代半ばに全日本大学女子駅伝で4連覇したことで少しずつイメージが変化し始め、近年は学生の3割を女子が占めるなど着実にイメージが変わってきたという。そして50周年を迎えた現在、京産大の目は次の方向を見定めようとしている。大城学長は、次は15年先の2030年を目標年にする予定だという。15年を一つのスパンで捉え、5年ごとにアクション・プランを策定・検証し、次の5年に活かすというサイクルで進めることになるようだ。その全貌は、新しいスローガンを含め、今年11月の記念式典で明らかにされる。京産大の次なる飛躍に向けた将来構想が提示されるはずだ。こうして見てくると、京産大は常に社会における自らの存在意義を意識し、新たな価値を創造できる大学であろうとし続けてきたと言っていいだろう。とりわけ、社会ニーズに応えていこうとする姿勢は、学部・学科を新設・再編してきた経緯に反映されている(図表1)。2000年代以降の動きに限って見ても、文化学部、コンピュータ理工学部、総合生命科学部の設置に加え、学科レベルの新設・再編が毎年のように実施されている。昨年(2014年)4月の外国語学部改組ではそれまでの細かな学科を廃止し、英語学科・ヨーロッパ言語学科・アジア言語学科への再編が行われた。今年4月には、文化学部に京都文化学科が設置されている。さらに来年4月には、理学部に気象学や天文学に特化した宇宙物理・気象学科が設置される予定だ。そして2017年4月には、9つ目の学部としての「現代社会学部」が新設される。まさリクルート カレッジマネジメント194 / Sep. - Oct. 2015特集 進学ブランド力調査2015社会のニーズに応える学部・学科作り昭和40(1965)年経済学部・理学部設置昭和42(1967)年経営学部・法学部・外国語学部設置平成元(1989)年工学部設置平成12(2000)年文化学部設置平成15(2003)年理学部 学科の名称変更平成19(2007)年4月経営学部学科再編(ソーシャル・マネジメント学科、会計ファイナンス学科設置)平成20(2008)年4月コンピュータ理工学部設置、外国語学部国際関係学科設置平成21(2009)年4月法学部学科再編(法政策学科設置)平成22(2010)年4月総合生命科学部設置平成26(2014)年4月外国語学部学科再編(英語学科、ヨーロッパ言語学科、アジア言語学科設置)平成27(2015)年4月文化学部学科再編(京都文化学科設置)平成28(2016)年4月理学部学科再編(宇宙物理・気象学科設置)<設置申請中>平成29(2017)年4月現代社会学部設置<設置構想中>図表1 京産大における学部・学科の設置と再編
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