カレッジマネジメント194号
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62●社会に対する強い想いと使命感を持っている●事を起こす起業家・企業家である、あるいは、個人であっても周囲を巻き込み、チームとして社会を変えているプロデューサーである●成長期・拡大期の延長上にある新製品・サービス・市場、技術ではなく、「それが生まれ、社会に浸透することで、既存の旧弊的な常識や制約等の枠組みが崩れ、成熟社会にふさわしい新たな価値が創出される何か」を生み出しているインタビューから浮かび上がってきた、社会リーダーの特性とは社会リーダーを数多く輩出するためには、まず、社会リーダーとして活躍している人材が、いかなる特性を持っているのかを明らかにする必要がある。そこで、私達が「社会リーダー」と呼ぶにふさわしいと判断した方々17名へのインタビューを行い、その特性を抽出した(図表1)。社会リーダーは、何はともあれ「社会課題に気づき」、その「社会課題を『我が事』ととらえる」ことができなくてはならない。この2つは社会リーダーにとってのスタートライン、必要条件である。この必要条件は、彼らに共通する思考特性に支えられているものだ。「社会課題に気づく」ことができるのは、社会を見つめる温かい目と、よりよい形を思い描く力を持っているからである。そして、見つけた「社会課題を『我が事』ととらえる」ことができるのは、人と違うことを恐れない姿勢を持っているからである。こうした姿勢のベースには、高い自己肯定感が存在する。彼らは自分の取り組む社会課題を解決する段階では、型にとらわれないでリスクを取り、人を巻き込む。そしてぶれない。また、社会課題の解決というプロセス全体を面白がる。こうした行動特性で活動を続けた先に、彼らは使命感を持った社会リーダーになるのだ。以降では、社会リーダーの持つ思考特性をより詳細に見てみよう。社会課題に気づく/社会を見つめる/よりよい形を思い描く「社会課題に気づく」とは、世の中にある不自由さや理不尽さに気づき、その課題を解決する仕組み構築の必要性・可能性に気づく、ということである。豊かな日本社会に暮らしていると社会課題を見過ごしてしまいそうだが、社会リーダー達は、自分とその周辺よりも少し「遠く」を見渡そうとする視線と、そこで暮らす人々のリアリティを感じ取る感受性を持ち合わせている。また、社会に存在する課題に気づく時、彼らはそれを構造的に捉える。彼らは、自分が出会った「困っているひとりの人」に、単に自分の手を貸すだけではない。そもそもこうした状況に人が陥らないようにするためにはどうすればよいのか、こうした状況になってもすぐに回復できるようにする仕組みはないのか、という発想で物事を見ているのだ。リクルート カレッジマネジメント194 / Sep. - Oct. 2015必要条件 思考特性 行動特性 社会課題に 気づく 社会を 見つめる よりよい形を 思い描く 人と違う ことを 恐れない 自己を 肯定する 型に とらわれない リスクを 取る 人を 巻き込む 使命感を持つ 面白がる ぶれない 社会課題を 「我が事」と とらえる 図表1 社会リーダーの必要条件と特性
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