カレッジマネジメント194号
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63社会課題を「我が事」ととらえる/人と違うことを恐れない/自己を肯定する日々の生活の中で「社会課題に気づく」ことがある。しかし、気づいたとしても、それを自分自身で解決しようと立ち上がりはしない。それが常人の発想だ。だが、社会リーダー達は、見つけてしまった課題を「自分自身で解決しよう」と思ってしまう。多くの普通の人々は眼の端で捉えても素通りしてしまう社会課題に「我が事」として向き合える社会リーダー達には、「人と違うことを恐れない」という共通した思考特性がある。そして、彼らがそのような選択ができるベースとして共通して持っているのが、「自己を信じ肯定する」力である。自分を信じ肯定できている人は、自分の意思決定や判断に、自信を持つことができる。また、人が自分のことをどう思うか、ということに必要以上に振り回されることがない。社会リーダーになる人々は、自己を肯定することができるが故に、他者と違うことを恐れない。だからこそ、社会課題を前に素通りするのではなく、我が事としてその解決という道に飛び込むことができるのだ。より多くの社会リーダーを生み出すための、3つのメカニズム社会課題に気づき、社会課題を我が事ととらえ、使命感を持つに至る社会リーダー。彼らを世にたくさん送り出していくためには、以下の3つのメカニズムが機能することが肝要となる。(図表2)一つ目は、醸成メカニズムだ。彼らの持っている必要条件、特性をより多くの人が獲得できるようにするために、リクルート カレッジマネジメント194 / Sep. - Oct. 2015醸成メカニズム 輩出メカニズム 社会認知メカニズム リアルな違和感を 大切にする場の創出 子どもの頃から社会の一構成員として、役割を求められる機会がある 社会に対する「違和感」を持ち続けられる環境がある Vision 1 Vision 2 志を行動に変え、 行動から志を固める機会の提供 「起業」という、志を実現する選択肢を知る場がある 自分が成し遂げられないと、悲しむ人がいるという状況に身をおく Vision 5 Vision 6 社会リーダーになりたい 人・企業を生み出す仕掛け 「社会リーダーたれ」というメッセージを、人材の発掘・選抜機会に埋め込む 企業自身が社会課題を解決したくなるような仕掛けを創る Vision 7 Vision 8 多くの社会リーダーが出現する プラットフォームの創造 「誰とも違う自分」。その自覚を促す社会人教育の機会を“再創造”する “おせっかい”な社会リーダーがいる生きたコミュニティを創る Vision 9 Vision 10 社会リーダーを讃え、 社会に周知する器づくり 社会リーダーを「スター」にするような表彰機会を創る Vision 11 強い紐帯と多様なネットワークの形成 「誰のために何をしたいのか」。志を問い続ける人がいる すべての人を尊重できるまなざしがある Vision 3 Vision 4 図表2 より多くの社会リーダーを生み出すための、3つのメカニズム

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