カレッジマネジメント194号
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72リクルート カレッジマネジメント194 / Sep. - Oct. 20152011年に大学設置基準が改正され、「大学は、生涯を通じた持続的な就業力の育成を目指し、教育課程の内外を通じて社会的・職業的自立に向けた指導等に取り組むこと」が明記され、就業力育成は大学教育の重要な課題となっている。各大学が活動の方向性を模索する中、地域産業人材の育成や地域経済の活性化にもつながるような就業力育成の取り組みが注目されている。この連載では、産業界との連携や地元自治体との協働によって学生の就業力を高めることに成功している事例等を、積極的に紹介していきたい。今回は、大学名に「アジア」を冠し、創立以来、アジア全体の発展に寄与する人材を育成してきた亜細亜大学の池島政広学長に、産業界と連携して取組むグローバルな人材育成について、お話をうかがった。付加価値をつけて社会に送り出す大学生の就業力育成における課題を池島政広学長は、亜細亜大学に限らず普遍的なものと捉えている。「多くの大学で、多くの学生が卒業後は会社に入る。そこで求められるのは、何がその会社で問題なのか、社会で何が問題なのか、指示されるのではなく自ら考え、自らソリューションを出していくことです。本当は、小さいうちからそういうトレーニングが必要なのですが、高校生まではそれをせずに来ているのが現状でしょう」だからといって、大学が「自ら考える」人材を育てる責任産学連携を強化し、アジアで活躍する人材育成に特化を免れるわけではないと池島学長は言う。「大学というのは、入ってきたときよりも付加価値をつけて人を外に出していく、トレーニングをして社会に役立つ人材を出すという役割を担っているわけです。大学の外の社会で何がどう動いているかということを、学生にどんどん示すことによって、4年間の間に自ら問題意識を持ち勉強する癖をつける。そのために、最近よくいうアクティブラーニング的な発想も含め、色々と取り組んでいるところです」留学生にも手厚いキャリア支援亜細亜大学のキャリア支援で特徴的なのは、日本人の学生だけでなく、全学生の約6%、人数でいうと400名弱の留学生にも手厚く対応していることだ。「本学と包括的連携・協力協定を締結している西武信用金庫さんに、お取引先の企業でアジア展開をしているような会社をご紹介いただき、日本での就職を希望する留学生とのマッチングを定期的に行っています。中小中堅で結構いい会社がありますが、大企業と違ってグローバルな人材の採用が難しい。そういう企業には、日本の企業に関心があって、日本の文化もある程度わかっている留学生が戦力になるでしょう。留学生の就職は、日本でするのと本国に帰るのと、結果的に半々くらいになっています。一番いいのは、日本で就職し池島政広 学長亜細亜大学就業力を育成する連載 ㉕

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