カレッジマネジメント195号
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18リクルート カレッジマネジメント195 / Nov. - Dec. 2015学部・文学部の1年次を郊外にある狭山台キャンパスから千代田キャンパスに移転し、4年間一貫して学べる体制を整えた。2016年には、比較文化学部の1年次を郊外の多摩キャンパスから千代田キャンパスに移転し、翌年には全学年を集約予定。また、2017年には、社会情報学部の1年次を多摩キャンパスから千代田キャンパスに移転し、翌年には全学年が集約する予定だ。杏林大学は、2016年に50周年を迎える。これを機に医学部等がある三鷹キャンパスに近接する用地を取得し、井の頭キャンパスとして八王子キャンパスの保健学部、総合政策学部、外国語学部を移転する。東京理科大学は、2013年に葛飾区に新たに葛飾キャンパスを開設、理学部第一部(応用物理学科)、工学部第一部 (建築学科、電気工学科、機械工学科)を神楽坂キャンパスから、基礎工学部(2〜4年次) を野田キャンパスから移転済み。2016年には、さらに工学部第一部(経営工学科)と工学部第二部(全学科)を神楽坂キャンパスから葛飾キャンパスへ移転、経営学部を久喜キャンパスから神楽坂キャンパスへ移転予定と再配置を加速させている。また、東洋大学は、2017年に東京都北区に赤羽台キャンパスを開設し情報連携学部(仮称)を新設予定だ。文教大学は、2015年9月に新キャンパス用地を足立区に取得した。首都圏では、都市部への再配置ラッシュが終焉したかのように見える。また、首都圏は、2020年の東京オリンピックに向けて都市部の各地で再開発が促進され、キャンパス用地の取得の困難さや建設費用・建築資材の高騰による都市部への移転の難易度が上がっている。しかし、文部科学省から、都市部の大学の定員超過や定員増の抑制の方向性も示されており、キャンパスの再配置が残された大学経営戦略のひとつとして再浮上する可能性もある。公表されていない都市部への移転検討は、様々の大学で行われているとうかがう。今後もまだ、その勢いは衰えないものと思われる。●中京圏名城大学は、開学90周年に当たる2016年に、ナゴヤドーム前キャンパスを開設し、外国語学部を新設予定。2017年には、都市情報学部(可児キャンパス)と人間学部(天白キャンパス)の2学部をナゴヤドーム前キャンパスへ移転し、3学部を集約する計画だ。南山大学は、2015年に理工学部を瀬戸キャンパスから名古屋キャンパスへ移転済みだが、2017年には、総合政策学部を瀬戸キャンパスから名古屋キャンパスへ移転する。併せて、名古屋キャンパスに情報センター、国際センターの設立を進めており、全学部・全学科を名古屋キャンパスへ統合する予定だ。中京圏では、都市部へのキャンパス再配置や新増設が2009年以降大きく展開された地域だ。今後の予定は少なく一段落したかのように見える。しかし、複雑な競合関係が形成されている首都圏と比較し、中京圏の競合関係は、一方が志願者を獲得すると競合関係にある大学の志願者が直接的に奪われる構図となっている。そのため中京圏では、志願者獲得のために、まだまだキャンパス再配置に向けた検討は続くと思われる。●近畿圏大阪工業大学は、大阪キタの中心部・阪急の梅田駅前に土地を取得し新キャンパス設置を計画している。2017年にロボティクス&デザイン工学部(仮称)を新設、大宮キャンパスから工学部空間デザイン学科、ロボット工学科を移転予定だ。関西大学は、都心部にある天六キャンパスを売却して梅田に新拠点を開設。これまで天六で行われてきた社会人対象の学習機能を持たせるほか、千里山キャンパスより都心部での展開に高い教育的効果が期待できる教育研究機能を一部移転予定だ。近畿圏も中京圏と同様に首都圏と比較し競合関係は明確だ。かつ大阪、神戸、京都という3大都市部が隣接しており、どの都市部に本拠地を構えていても、他の都市部への展開も検討の対象になりうるため、より多様な経営戦略の選択が可能だ。一段落したかに見えるキャンパス再配置ではあるが、今後は、隣接する都市部への拠点展開によるマーケットの拡大も含め、新たな競合関係が生み出される可能性がありそうだ。
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