カレッジマネジメント195号
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32「国立大学」が「国立大学法人」に変わってから、11年が経過した。現在の国立大学は、6年間を一つのサイクルとして中期目標を設定しており、平成28年度には、3回目のサイクル、「第3期中期目標期間」がスタートする。本稿では、第3期中期目標期間のスタートに向けて進めている国立大学改革の背景、趣旨を述べたうえで、いくつかの特色ある大学の取り組みの一端をご紹介したい。「ミッションの再定義」と国立大学改革プラン図表1は、これまでの国立大学の歩みをまとめている。国立大学が平成16年に法人化され、制度へ適応する「始動期」から始まり、平成22年度からの第2期においては、法人化の長所を生かした改革を本格化する時期であった。が、国立大学改革を進める傍らで大学を取り巻く環境を見てみると、少子高齢化の進展、世界のボーダーレス化によるグローバルへの対応、新興国の台頭等による競争の激化など、急激に社会が変化する時代に入り、この流れの中でどのような役割を果たしていくのかが改めて問われる状況になった。このような中、第3期に向けた改革を進めるため、平成25年11月に国立大学改革プランをとりまとめた。このプランでは、第3期に目指す国立大学のあり方として、「各大学の強み・特色を最大限に生かし、自ら改善・発展する仕組みを構築することにより、持続的な“競争力”を持ち、高い付加価値を生み出す国立大学」を掲げ、機能強化を実現するための喫緊の課題である「強み・特色の重点化」「グローバル化」「イノベーション創出」「人材養成機能の強化」に焦点を当て、取り組みを進めることを打ち出した。また、第3期には、大学が自主的・自律的に改善・発展をしていくことが極めて重要であることから、このような取り組みを促す仕組みを構築するため、第2期後半の3年間を「改革加速期間」として、5つの取り組みを重点的に進めることとした。この改革加速期間における取り組みの一番目としてリクルート カレッジマネジメント195 / Nov. - Dec. 2015「ミッションの再定義」を経て、「社会変革のエンジン」へ この6月末に、27年度から始まる国立大学の第3期中期目標・中期計画の素案が文部科学省へ提出された。今回の素案は、国立大学改革プラン(2013年)の「各大学の強み・特色を最大限に生かし、自ら改善・発展する仕組みを構築することにより、持続的な「競争力」を持ち、高い付加価値を生み出す国立大学へ」という方向性を受けて、各大学がどのような「機能」を強化し、計画を打ち出していくかが注目される。一方で、提出直前に文科省から発出された「国立大学法人等の組織及び業務全般の見直しについて」の通知の内容が、国立大学のみならず多くの大学関係者に波紋を呼んでいる現状もある。 本特集では、実際に提出された中期計画素案の内容も踏まえて、第3期に向けた見直しのポイントがどこにあり、各大学の機能強化の取り組みはどのように計画されているのかを、文部科学省高等教育局の吉田光成氏におまとめいただいた。吉田光成 文部科学省高等教育局国立大学法人支援課企画官国立大学の第3期中期計画に向けて寄 稿1転換期を迎える国立大学
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