カレッジマネジメント195号
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42リクルート カレッジマネジメント195 / Nov. - Dec. 20152011年に大学設置基準が改正され、「大学は、生涯を通じた持続的な就業力の育成を目指し、教育課程の内外を通じて社会的・職業的自立に向けた指導等に取り組むこと」が明記され、就業力育成は大学教育の重要な課題となっている。各大学が活動の方向性を模索する中、地域産業人材の育成や地域経済の活性化にもつながるような就業力育成の取り組みが注目されている。この連載では、産業界との連携や地元自治体との協働によって学生の就業力を高めることに成功している事例等を、積極的に紹介していきたい。今回は、警察官・公務員の就職に強みを見せる日本文化大学で、大森義夫学長、奥村卓石特任教授にお話をうかがった。入学者の8割が公務員希望1978(昭和53)年創学の日本文化大学は、法学部のみ学年定員200人の小規模な単科大学だが、近年、警察官就職率の高さで注目を集めている。2012年度に就任した大森義夫学長は「自然発生的に警察官志望者が増えてきて、大学として、なるべく合格させてやろうと対策講座を始めたと聞いています。その中で、警察官志望者や合格者が多いという評判も上がるし、宣伝もしますから、警察官志望者がさらに増えてくるという回転になったのですね。ですから、別段今も、警察官養成所のように特化させようと思っているわけではないのです」と言う。奥村卓石特任教授によれば、警察官志望者が増え、対策講小規模大学でも「警察官就職率全国一」を支えるキャリア支援座等の取組を始めたのは15年ほど前。10年前から一気に増えたという。「学生の志向と、大学の経営が、非常に一致したのですよね。そういう意味で、恵まれたポジションと思っています」(大森学長)。確かに、この規模の大学が存在感を発揮するうえで、「警察官就職率全国一」という特徴を打ち出せることは非常に大きい。「評判が広まるにつれて、父母の片方ないし双方が警察官という家庭環境の学生も増えてきています。そういう意味で、基本的にまじめだし、目標がはっきりしている。少人数で、入学者の約8割が公務員志望。そしてその半ば以上がたぶん警察官志望。マンモス大学と違って、方向性が一つなのですね。例えば警察官の試験を受けるにしても、何十人も受けるのである種の一体感があるし、いい意味での競争もある。そんなところは学生にとってのうちの大学の良さでしょうね」(大森学長)1年生から始まる「キャリアマネジメント」具体的な取り組みとして、警察官を含む公務員試験の合格にウエイトを置いた講座が、いくつか用意されている。「一つはまず、『キャリアマネジメント』という科目で、1年生から始まります。というのも、公務員の試験は基礎的な人文から社会科学の範囲まで、広範な出題なので、それに対応すべく、1年生で基礎、2年生で教養力と応用、3年生で実践というスケジュールで取り組みをしています」(奥村特任教授)。大森義夫 学長※1日本文化大学就業力を育成する連載 ㉖

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