カレッジマネジメント195号
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進化する心技体  武道場の緊迫した空気を打ち抜くように、華麗な蹴り技が繰り出される。空手等のアジアの武道と韓国の古武道を調和させた朝鮮半島発祥の武道がテコンドーだ。2014年12月に行われた第26回全日本学生テコンドー選手権大会において総合優勝を果たした東京農工大学のテコンドー部。49名もの多くの部員を率いているのが、主将の渡邉洸さん。「テコンドーの大会では、トゥルと呼ばれる型の部門、マッソギと呼ばれる組手の部門があり、それぞれ個人戦、団体戦があります。そのため、総合優勝を果たすには、チーム全体で各競技に参戦し、それぞれで結果を残さなくてはなりません。決して一人の力だけでは成し得ないものなのです」。ほぼ全員が大学入学後にテコンドーを始めた初心者からのスタートだという。大学近くの府中道場で、元世界チャンピオンである黄秀一師範にご指導頂いたり、週5日の練習の中で先輩が後輩を指導する等、各自の鍛錬の積み重ねで上達してきている。「初めのうちは、組手であるマッソギをやりたがる部員もいるのですが、やはり、基本となる型のトゥルがしっかりできていないと強くはなれません。トゥルに磨きを掛けた人とトゥルが未熟な人とでは、マッソギの試合をしても雲泥の差があるのです」。そう語る渡邉さんも、トゥルの基本を繰り返し訓練し続けているという。「ある先輩が就職試験の面接で、特技としてトゥルの型を披露して合格したという逸話もあるほど、完成されたトゥルは見る人を魅了するものだと思いますね」。主将としての役割は、部員それぞれが目標を持ち、やるべきことに集中して取り組める環境を整えることだという。「テコンドーの魅力は、日々の練習により体の柔軟性が進化すること、そして、師範や先輩方とのタテのつながりによって、精神的にも進化することだと思います。私自身も、1年生の時の自分と現在の3年生の自分を比較すると、飛躍的に自己成長できたと感じています」。大会での総合優勝の連覇という大きな目標を達成するためには、こうした部員一人ひとりの自己成長が欠かせない。まさに「進化する心技体」が結集された時、彼らの夢はまた一歩前進するはずだ。       (写真・文/西山俊哉) 主将渡邉 洸 さん(工学部機械システム工学科3年)学生のリーダー東京農工大学 テコンドー部当代当代Vol.57

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