カレッジマネジメント196号
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24愛知県春日井市に本拠を置く中部大学は、7学部30学科6研究科からなる私立の総合大学である(2015年5月現在の学生数は1万1082名)。地域企業との連携による「報酬型インターンシップ」の導入など、大学と社会をつなぐ挑戦的な取り組みで注目を集める。2013年度には、同大学と春日井市との連携による教育事業がCOC(地(知)の拠点大学における地方創生推進事業)にも選定された。中部大学はなぜ、地域社会と連携した教育事業に力を入れているのか、その理念や正課教育との関係、特色ある取り組みを打ち出し実現していく組織的な仕組み、これまでの成果と今後の挑戦課題等について、山下興亜学長にお話をうかがった。「あてになる人間」の育成、総合大学としての成熟中部大学の母体は、1939年に創立された名古屋第一工学校である。創設者は名古屋高等工業学校の教授であった三浦幸平。その言葉、「不言実行、あてになる人間」が、建学の精神である。四年制大学としての出発は、1964年の中部工業大学の開学から。1984年には中部大学への名称変更とともに、経営情報学部、国際関係学部を設置した。その後、人文学部の設置(1998年)、応用生物学部の設置(2001年)、生命健康科学部の設置(2006年)、現代教育学部の設置(2008年)等を経て、今日の総合大学としての姿に至る。「ものづくりを担う工学部にはじまり、次に社会、文化を作る人材の育成、さらに食物、健康を支える人材、人づくりを担う人材と、社会の必要に応えて成長を続けてきた。今も、総合大学としての質的な充実、成熟を目指し、様々な挑戦を続けている。現在進行形で成長過程にある大学だ」と山下学長は話す。リクルート カレッジマネジメント196 / Jan. - Feb. 2016「報酬型インターンシップ」と社会連携の必然中部大学C A S E3図表1 2013年度COC選定取組「春日井市における世代間交流による地域活性化・学生共育事業」春日井市自治体市民地域企業学校(小・中・高)その他中部大学地域との関り体験を通して他者を理解し、自身の価値観をみつめるまちづくりを通して、共に学び(共学)・共に育つ(共育)!!要望・課題・ニーズ学内の実施体制学長主導の基、COC担当理事(兼)副学長を置き、本取組を統括し、推進する。本プログラムで育成した、中部大学認定「地域創生メディエーター」が、人と人との絆を創る介在をし、活力あるコミュニティを形成する。協力・提案・シーズ山下興亜 学長教育プログラム体系の新展開従来の構成基礎教育専門教育課外教育新たなプログラム構成全学共通教育正規教育との連携に基づいた課外教育本プログラムでは、全学共通教育科目に「地域共生実践」(2単位)を新設する。さらに学部・学科において、地域連携に関する科目・演習等を設置する学部・学科専門科目報酬型インターンシップ生活・住環境を考えるまちづくりキャンパスタウン化高齢者・学生交流Learning Home Stayシニア大学(CAAC)コミュニティ情報ネットワーク<課題>認定基準の明確化あてになる人間の育成中部大学認定<地域創生メディエーター>

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