カレッジマネジメント196号
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31リクルート カレッジマネジメント196 / Jan. - Feb. 2016ネズミ」と自嘲気味に語る。その様子を示したのが、図表2となる。これは、フランスの男性フルタイム労働者の年齢別年収を、職群ごとにグラフ化したものだ。以下、これの説明をしていく。まず、一番年収が低いのが資格なく働く人達(無資格者)。彼らの年収は、20代後半で凡そ290万円(1€=130円換算)であり、それが50歳で約330万円となる。その次に低いのが、製造系の資格を持つ人達(工員)。彼らの年収は20代後半で300万円程度であり、50歳の時には360万円となる。続いて、事務系や販売、サービス、テクニカル等の資格を持つ人達(有資格者)。彼らの年収は製造系よりほんの少々上で、20代後半でで330万円弱、50歳で400万円弱となる。ちなみに、ここには、短大や高等専門学校、大学の職業課程等を卒業した人が進む。さらにその上の「中間的職務」は、20代後半で400万円、50歳だと530万円とそこそこ昇給はしている。こちらには、(職業課程ではない)普通の大学を出た人が主流となる。経理の例で言えば、決算や管理会計を担当している人達だ。そしてその上の「カードル」と呼ばれるグランゼコールや大学院をを出た人達は、20代後半560万円、50歳1000万円と、飛び抜けて年収が高く、昇給幅も大きい。ただ、ここまで書いても、「いや、頑張った人は、無資格労働者→資格労働者→中間的職務→カードルと上っていくのではないか」と考える人も多いだろう。なぜなら、日本人は誰でも普通に昇給し、そのうえ、少なくない人が係長→課長と進むからだ。がしかし、やはり欧州ではそうしたケースは少ない。図表3を見ればそれが分かるだろう。職群ごとの年齢別割合を出したものだ。確かに30代前半までは無資格者が減り、中間職・カードルが増える。しかし、それ以降はほぼ固定化され、構成はほとんど変わらない。日本のように、30代後半から50歳にかけて管理職が急激に増える、ということはない。「入口時点のスキルで採否を決める」というのは、こういう社会だからこそ可能だと気づいてほしい。階層間を上っていく日本型キャリアちなみに、日本の男性フルタイマー社員の年収構造を同じように示したものが図表4となる。言われる通り、日本は企業規模による年収の格差が大きい。がしかし、よく見てほしい。どの企業規模でも、大卒者の場合、無資格者クラスで始まった年収が、30歳までには有資格者並となり、その後も上伸して、最終的には皆「カードル」図表4 日本の勤続者の年収構造 (男子正社員) 55~59歳 50~54歳 45~49歳 35~39歳 40~44歳 30~34歳 25~29歳 20~24歳 1000 0 2000 3000 4000 5000 6000 7000 8000 9000 10000 11000 出所:厚生労働省賃金構造基本統計調査、2014年 (千円) カードル 大卒 大企業 大卒 中堅企業 大卒 中小企業 中間職 有資格者 無資格者 特集 “学ぶ”と“働く”をつなぐⅡ

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