カレッジマネジメント196号
42/60
42リクルート カレッジマネジメント196 / Jan. - Feb. 2016高校生は“自分自身の将来”と“社会人になるころの社会”に希望を感じているのだろうか。2007年の調査開始から継続して聞いているこの2項目は、いずれも回復・増加基調にある。自分自身の将来に対しては70%が「明るい」と回答(図表1)しており、2012年から増加傾向にある(2009年:75%→2012年:55%→2014年:64%→ 2015年:70%)。また、自分が社会人になるころの社会は「明るい」と回答した高校生は50%となり(図表2)、調査開始以降最高ポイントとなった(2009年:39%→2012年:31%→2014年:49%→2015年 : 50%)。理由として、アベノミクスとオリンピックを挙げる声が多数聞かれ、将来に対して前向きな感情を抱く高校生の増加が見られた。一方「明るくない」と答えた高校生も、自分自身の将来で30%、社会人になるころの社会で50%存在し、少子高齢化などの社会不安の声も聞かれたが、全体的には将来への期待感の高まりを感じる結果となった。高校生の社会観引き続き、将来展望は回復傾向。景気は2014年から「変わらない」が6割。「自分の将来は明るい」と思う高校生が7割に上昇【調査報告】高校生価値意識調査2015〈臨時版〉将来展望は回復の兆し「自分自身の将来」「社会人になるころの社会」ともに明るいが上昇本調査は2007年から実施しているが、昨年は“アベノミクスやオリンピックの影響を受け、景気回復への期待から、高校生の未来展望は回復の兆し”と報告した(188号)。経済的にも好転の希望を感じる高校生が増え、「進学ブランド力調査」でも昨年は“東名阪全エリアで私学志向回復傾向”が見られた(188号)が、2015年の同調査においては “私立志向が強まる関東、国公立回帰の東海・関西”とエリアによる差が顕著な結果となった(194号)。社会的背景が、高校生の進学観はじめ価値観に大きく影響を与えることはこれまでの調査結果から明らかである。そこで、スピード速く、激しく変化する社会情勢が高校生の価値観にどのような影響を与えているのかを最新で捉えるため、今回、「高校生価値意識調査」を臨時版として実施することとした。ここでは調査結果の中から、高校生の社会観・進学観・キャリア観・世代観・結婚観・家庭観について報告する。池内摩耶 リクルート進学総研 研究員調査目的:高校生の将来イメージ及び進路選択に対する価値意識を把握する。調査方法:インターネット調査調査対象:2015年9月現在、高校1年生~高校3年生で、大学・短期大学・専門学校いずれかへの進学を検討している男女。株式会社マクロミルのモニター会員のうち、2015年9月時点の高校生を対象にスクリーニング調査を実施。 ※2009年~2014年は4月に調査を実施しているため、3月時点の高校生のうち、以下2条件いずれかの該当者を調査対象としている。①調査年度4月時点において、高校2年生~高校3年生で、大学・短期大学・専門学校いずれかへの進学を検討している男女。②調査年度4月時点において、高校既卒者で高校在校中に大学・短期大学・専門学校いずれかへの進学を検討したことがある男女。調査期間:2015年9月11日(金) ~ 9月17日(木)集計サンプル数: 1437人※関東エリア、東海エリア、関西エリア、その他エリアそれぞれにおいて、文部科学省「平成26年度学校基本調査」から調査対象者の母集団の男女構成比を算出し、回収後の4エリア内の男女構成比をウェイトバック集計により、補正を行っている。調査概要
元のページ