カレッジマネジメント197号
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38国際基督教大学(ICU)は、2015年の一般入試においてATLASという新たな方式を導入した。これはAptitude Test for Liberal ArtSの略であり「総合教養」と呼称される。もともとICUでは長らく「一般学習能力考査」や「リベラルアーツ適性」という適性試験を課してきたが、それに代わるものとして開発・導入された。高校の個別教科に囚われない学際的な問題を、持てる知識を総合し解くという点は、「リベラルアーツ適性」と共通しているが、新たな点は、まずあるトピックについての講義を「聴く」ことにある。その後に関連する設問を解く。図表1にみるように、「学際性」「洞察力」の測定に加えて、「聴く」という要素を導入して「判断力」を測定することに、ATLASの狙いはある。では、このATLASの問題を具体的にみていこう。ATLASの試験時間は約80分であり、80点が配点されている。まず15分程度、何も見ずにあるトピックについての講義を傾聴する。その間にメモをとることは許されている。その後の残り時間65分程度で、講義に関する多肢選択のマークセンス方式の設問40〜45問に解答する。この設問は学際・人文科学・社会科学・自然科学の4つのパートから構成されており、人文科学・社会科学・自然科学については、それぞれの観点からの論述があり、それに関する設問に解答する仕組みとなっている。ICUのWebにはサンプル問題がいくつか掲載されており、そこからの抜粋を図表2としてまとめよう(http://www.icu.ac.jp/admissions/april/general/atlas.html)。図表2の上部の文章は、講義の出だしを書き起こしたものであり、このような語り口が15分間続く。下部の設問のうちPart Iは学際に関する設問であり、設問1ではケープとケープタウンとの関係は、マッサリアとa〜dのどれの関係と同じかを選択する。Part IIは人文科学の設問であり、論述を読んで4択の設問群に解答していく。例えば設問12にあるヘシオドスの名は、世界史の教科書に出ていたかもしれないが、『仕事と日』の内容まで知っている高校生はまずいないだろう。Part IVは自然科学の設問であり、設問31では文中の( )に該当する語句の組み合せを選択する。ブドウが被子植物か裸子植物か、生物の教科書にそこまでは掲載されていないだろう。リクルート カレッジマネジメント197 / Mar. - Apr. 2016入試は受験生へのメッセージ判断力 「聴く」ことで 瞬発力・対応能力を 問う 洞察力 問題の本質を捉える 総合教養 「ATLAS」 学際性 文・理を超えた叡智 ※大学案内掲載の図表より、編集部にて作成。 図表1 総合教養「ATLAS」3つの指標国際基督教大学(ICU)C A S E2一般入試にATLAS導入ATLAS問題の総合性
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