カレッジマネジメント197号
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42島根大学は、1949年に創設され、法文学部、教育学部、総合理工学部、生物資源科学部(以上、松江キャンパス)、医学部(出雲キャンパス)の5学部からなる総合大学だ。学生数は、学部5355人、大学院644人である(2015年5月1日現在)。法人化を契機に大学の存在意義をより明確にするため、2006年に「島根大学憲章」が制定された。そのなかでは、「地域に根ざし、地域社会から世界に発信する個性輝く大学」を目指すことが宣言されるなど、地域との関係を重視する大学としての役割が明確に打ち出された。このような姿勢は、教育に関するその後の取り組みにも表れており、2013年度の「地(知)の拠点整備事業(COC)」と2015年度の「地(知)の拠点大学による地方創生推進事業(COC+)」に採択されている。さらに、今年度から、主に山陰地域から地域志向の強い学生を受け入れる「地域貢献人材育成入試」が導入された。同入試は、全ての学部において地域出身者・地域就職希望者を一定数受け入れるという点で、全国の国立大学で初の試みだ。それでは、地域貢献人材育成入試とは、具体的にどのような入試なのだろうか。また、高大接続というスローガンは、「言うは易し」の典型的な例だと思われるが、島根大学では、どのように実行に移そうとしているのか。高大接続において鍵となる、育成を目指す人材像やカリキュラムの内容等も含め、現在進行中の入試の現状や課題、今後の展望について、服部泰直学長にお話をうかがった。育成したいのは、「専門を身につけるための力」を持った地域貢献人材まず、島根大学が育成しようとしている「地域貢献人材」について確認する。服部学長は「大学で学んだことによって、既存の課題を解決できるだけでは、意味がない」と断言する。学生は卒業後、約40年という長い期間にわたり社会で働き続けることになる。その間、社会の状況は絶えず変化し、新たな課題が生じる。それゆえ、これまで想定されなかった課題に対峙し、それらを解決する能力を持った人材を育成することが求められるという。そのために必要とされる能力を、服部学長は「専門を身につけるための基礎的な力」だと説明する。もちろん、各学部の専門教育において、専門的な知識や技術を習得することは重要であるが、それらの能力は早晩に陳腐化する。社会の変化によって新たな課題が生じたときに、新たな専門性を身につけ対応するためにも、それを自ら学ぶための基礎的な能力が必要とされるということだ。リクルート カレッジマネジメント197 / Mar. - Apr. 2016入試を起点とした、高大接続と地域貢献人材育成への挑戦服部泰直 学長島根大学C A S E3
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