カレッジマネジメント197号
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482専攻※の志願者を混合したグループが組まれ、医療従事者をテーマとしたディスカッションが行われた(テーマは第1次試験の合格結果と同時に提示)。評価については、医療科学部の各学科から2名ずつの教員がディスカッションを観察し、評価シートにもとづいて採点する方式を採った。評価シートは、医療科学部の教員達自らの議論によって作成された。5つの大きな評価項目の下に、それぞれ3〜6の評価視点がつく構成となった。「試験を行う前には、入試担当教員の間でトレーニングとトライアルを繰り返した。導入に当たっての議論も含め、客観的に見て教員の負担は大変なものであると感じるが、学部の将来を担う若いスタッフを中心に、熱心に取り組んでくれた。教員全体として、藤田保健衛生大学の卒業生が多いこともあり、アセンブリ入試については大きな反対もなく導入することができた」と金田副学長は話す。アセンブリ入試を実施に移すに当たっては、受験生にとって、ハードルの高い内容となったのではないか、との懸念もあったという。しかし結果的には、募集人員の約2倍となる33名が集まり、最終的には18名が合格した。「もともと、他の入試形態も含め、志願者の多くが本学を第一志望とする学生であるという素地もあった。実際、今回のアセンブリ入試の志願者には、別に実施された推薦入試で不合格となった学生が含まれていた。その意味において、アセンブリ入試の導入には、本学を志願する高校生に受験機会の幅を広げるという点でも意味のあるものとなった」と金田副学長は話す。大学の理念に合った人材の獲得と今後の課題アセンブリ入試の手応えについて、金田副学長は次のように話す。「グループディスカッションでは、予想以上に活発な議論が行われた。また、アクティブレポートについても、学生の個性が良く表現された内容が集まった。結果として、藤田保健衛生大学の理念に沿った、狙い通りの学生を採ることができたという実感がある。同期生の模範となるような学生達だ」。今回の手応えを受け、既に、来年度におけるアセンブリ入試枠の拡大の議論が始まっているという。卒業時の国家試験合格に必要な学力確保とのバランスをとりながら、いかに多くの受験生がアセンブリ入試を受けやすくなる科目ないし入試構成を設計するかが議論されている。アセンブリ入試枠の倍増、他学部への波及のアイデアもあるが、具体化はこれからの課題だ。同時に、アセンブリ入試によって入学した学生が、入学後に個性を発揮できるような環境整備が、これからの実践課題となる。例えば藤田保健衛生大学は、半世紀にわたるクラス制度の運用実績を持つが、このクラスの中でアセンブリ入試枠の学生が個性を発揮し、同期生に刺激を与えるよう、担任が果たすべき役割についての議論が始まっている。藤田保健衛生大学の特長であるアセンブリ教育において、これら新たな入試枠による学生を活用するための具体的な方針も模索されている。「入試結果と授業成績、卒業時の学修成果を関連付けた統計システムは、既に整っている。入学後の継続教育の整備とあわせ、これら教育情報を活用し、アセンブリ入試枠による学生の成長を明らかにしていくことが、今後の課題だ」と金田副学長は話す。学長のリーダーシップとガバナンス「アセンブリ入試は、以前から導入を考えていたアイデアであるが、具体的な議論と実現に踏み切るきっかけは、リクルート カレッジマネジメント197 / Mar. - Apr. 2016※臨床検査学科、看護学科、放射線学科、リハビリテーション学科(理学療法専攻・作業療法専攻)、臨床工学科、医療経営情報学科図表2 アセンブリ入試の選考プロセス(2016年度)※掲載内容は2016年度のものであり、次年度についてはこの限りではない。①国際適性試験(英語力) 〈60分〉(英文問題)TOEIC®は600点以上、GTEC CBTは1250点以上、TOEFL iBT®は61点以上、TOEFL PBT®は500点以上、TEAPは334点以上、IELTSは5.0以上、実用英語技能検定は準1級以上であれば、国際適性試験を免除。②アクティブレポート高校3年間におけるクラブ活動、生徒会活動、ボランティア活動等の諸活動について記入(自筆)。第1次試験第2次試験グループディスカッションのテーマを提示医療を学ぶ意志のある学生としての考えを問う内容を設定。第1次試験選抜者発表①科学適性試験(理科系能力)〔臨床検査学科・放射線学科・リハビリテーション学科・臨床工学科〕物理基礎、化学基礎、生物基礎から2科目選択〈60分〉〔看護学科・医療経営情報学科〕物理基礎、化学基礎、生物基礎から1科目選択〈30分〉②グループディスカッション6学科2専攻混合型のグループディスカッションを実施。第2次試験
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