カレッジマネジメント197号
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57「受配者指定寄付金制度」の利用状況この5年で、受配者指定寄付金の受入額は1.8倍に2014年度、私学事業団では8020件215億円の寄付金を受け入れた。1989年からの受入状況の推移を示したものが、図表1となる。受配者指定寄付金は、主に企業など法人からの寄付が多く、図表期間中には特定の学校が一時期に多額の寄付金を獲得したことによる影響が一部あるものの、概ね景気動向に一致している傾向が見られる。特に近年5年間の動きに注目して見ると、この制度を利用した寄付金額は大幅に増加し、2013年度には過去最高の金額となった。2014年度の受配者指定寄付金受入額を見ても、4年前の2010年度に比べて1.6倍、大学を設置する学校法人に限ると、1.8倍に伸びている。しかし一方で、この制度を利用している学校法人の数を見ると、2014年度の受入学校法人数は439法人であり、2010年度の341法人に比べて1.3倍。このうち大学を設置する学校法人に限って見ても、2014年度は244法人と2010年度の191法人と比べてやはり1.3倍に過ぎず、寄付金受入額の伸びほどには増加していない(図表2)。また、この制度の利用法人数も増加傾向にはあるものの、学校法人の全体数から見ればまだ少なく、大学を設置する学校法人に限って見ても44%(2014年度大学を設置する法人数555法人)に過ぎない状況となっている。受配者指定寄付金の金額や件数が大きく増加している状況に比べて、利用法人数がそれほど増加していないという事実は、私学事業団による制度周知のための努力不足によるところも大きいと認識している。しかし、現在のところ、元々寄付金募集に積極的に取り組んでいる私立学校だけがこの制度を積極的に活用して寄付金を獲得している状況であるとも言え、学校法人全体に対して制度を利用している法人数がまだ少ないことから、冒頭に述べたように全体の収入構造における寄付金比率の変化としては表れてこないという状況も見てとれる。リクルート カレッジマネジメント197 / Mar. - Apr. 2016図表1 受配者指定寄付金 受入状況 (1989年度~2014年度)0 50 100 150 200 250 0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 7000 8000 9000 179.5 201.5 8402 8641 7653 6458 4183 4396 3936 4243 4846 4392 4454 5005 4789 4336 6018 6870 7161 7933 8328 6545 6245 62526570 6364 7716 8020 177.5 132.8 98.8 92.1 85.5 86.4 72.0 91.2 100.7 106.1 126.1 153.8 202.6 196.7 157.2 130.9 136.1 152.0 170.2 216.8 215.3 175.6 83.4 100.9 (件) (億円) 受入寄付金 受入件数 (年度) 1989 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 2000 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 図表2 受配者指定寄付金 取扱実績         法人種別 区 分大学短大・高専高校・中学・小学・特別支援幼稚園専修学校全体計2010年度受入学校法人数191 11 97 14 28 341 件数4649 96 923 440 144 6252 受入額(百万円)9218 208 1470 1681 1037 13615 2014年度受入学校法人数244 15 126 26 28 439 件数5997 536 1257 135 95 8020受入額(百万円)16731 286 2766 811 940 21534

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