カレッジマネジメント197号
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65通りとなる。1)NIADが掲げる評価の3つの目的のうち、「質の保証」と「改善の促進」について、概ね達成できたと考えている大学が9割に達する一方で、「社会からの理解と支持」については6割強にとどまっている。2)認証評価を受けるに当たって自己評価を行ったことによる効果・影響については、「教育研究活動等について全般的に把握」と「教育研究活動等の今後の課題を把握」の質問に9割を超える肯定的な回答があったのに対して、「各教員の教育研究活動等に取り組む意識が向上」と「教育研究活動等を組織的に運営することの重要性が教職員に浸透」の質問に対する肯定的な回答は4割強にとどまっている。3)「自己評価書に添付する資料は、既に蓄積していたもので十分対応することができた」という質問に対する肯定的な回答は約4割にとどまり、対象校の半数以上が新たに資料・データを収集していたことがうかがえる。4)評価に費やした作業量のうち、「自己評価書の作成」については、約6割がとても大きい、約3割が大きいと回答しており、特に、根拠資料・データの収集や学内調整(本部と各部局間)のための作業量が大きかったとの意見が多く寄せられている。肯定的な評価が多い一方で作業量に課題JUAAが2011年度から2014 年度に同協会の大学評価を受けた大学に対して行ったアンケートでは、自己点検・評価活動による効果と認証評価結果による効果について、それぞれにほぼ同じ内容の13個の質問を行っている。(JUAA, 2015.10,『第2期大学評価(認証評価)の有効性に関する調査中間報告』参照)自己点検・評価活動による効果については、いずれの質問に対しても肯定的な回答(5段階のうち「該当する」と「おおむね該当する」を合わせたもの)が多く、「課題が明確になった」は9割を超えている。その一方で、「内部質保証システムが一層機能するようになった」はやや低く、肯定的な回答が約6割にとどまっている。認証評価結果による効果については、いずれの質問においても肯定的な回答が一段と高まる傾向にあり、「課題が明確になった」、「明確になった課題への改善に取り組むようになった」、「成果を出している取り組みが明確になった」はいずれも9割以上になっている。その一方で、「他大学の『大学評価結果』を自大学の取り組みに活用するようになった」に対する肯定的回答が5割強にとどまっている点は留意しておく必要がある。作業量については、「貴大学担当部署の作業量は、適切であった」について、肯定的な回答は4割以下にとどまり、ここでも大きな課題となっていることが分かる。作業量の問題は、JIHEEが2012年7月にまとめた『平成23年度認証評価に関する調査研究』でも明らかであり、「受審にかかる事務負担の軽減」を期待するかについては、「とても期待する」と「期待する」を合わせると9割を超える。同機構の評価を受審する大学の学部収容定員をみると、501〜1000人規模の大学が最も多く、1001〜1500人規模校まで合わせると約5割に達する。作業量問題は、中小規模校においてより深刻であることを十分に考慮しておく必要がある。法人評価のあり方も問い直す必要がある機関別認証評価以外に、国立大学法人と公立大学法人には、中期計画及び年度計画に基づいて行った業務の実績に対する「法人評価」が課されている。国立大学法人の第1期中期目標期間(2004年度〜2009年度)の業務実績に対する評価では、「教育研究等の質の向上の状況」と「業務運営の改善・効率化」について、ほぼ全大学が「おおむね良好である」以上の評定を得ている。また、学部・研究科等の教育研究の現況分析においても、教育と研究のそれぞれについて「期待される水準」以上にあるとされている。第2期中期目標期間における年度評価においても業務運営に関して、毎年9割を超える大学が「順調に進んでいる」以上の評定を得ているが、国は、「国立大学改革プラン」、「ミッションの再定義」、「国立大学経営力戦略」、「国立大学法人等の組織及び業務全般の見直しについて」等の方針を次々と示している。国立大学が社会的要請に応えていなリクルート カレッジマネジメント197 / Mar. - Apr. 2016
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