カレッジマネジメント197号
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平成の騎士    オリンピックでのメダル獲得で話題となったフェンシング。〝世界を狙う名門〞として注目されているのが、朝日大学・フェンシング部だ。将来の日本代表を狙える選手を続々と育て、次なる目標は、全日本学生フェンシング選手権大会(インカレ)での男女3種目完全制覇。新たに主将となったのが、門脇佑斗さん(男子)と野村知永さん(女子)の二人だ。この部では、1年次から「学代」と呼ばれる学年代表者を任命し、時間をかけて、キャプテンシーやリーダーシップを育成する。「新主将となる頃には、もう心構えができており、頑張る気持ちになっていました」と女子主将の野村さんは語る。男子主将の門脇さんは、中学3年の終わり頃からフェンシングを始めている。「母と姉二人が、フェンシングをやっていたので、見学に行った時に自分もやってみたいという気持ちで始めました」。こうした精鋭達をさらに鍛え上げるのが、オリンピック2大会出場の新井祐子総監督、インカレや全日本で活躍した井上裕二監督だ。「この部の強さのベースは、素晴らしい指導者に恵まれていること、そしてOBの方々が練習に参加してご指導下さることです」と門脇さんは言う。野村さんは「負けず嫌いの部員が多い」と言い、団体戦の代表4名に入るための競争意識も高く、切磋琢磨する環境があると感じている。フェンシングは、剣さばきの技術はもちろん、相手の動きを読む「考える力」が求められる。そのため、日常生活でも常に相手を意識し、配慮する気持ちを持ち続けているという。心と頭脳と剣先が一体化してこそ、自分の狙い通りの技が決まり、勝利に結びつくのだ。門脇さんも野村さんも口を揃えて言ってくれた。「最も大切にしていることは、コミュニケーションです。部員達とのコミュニケーション。試合中の相手との心のコミュニケーション。心理戦だからこそ大切なことだと感じています」。技術と人間性を極限まで磨きぬく部員達。「平成の騎士」が、世界の扉を開いてくれる日は近い。 (写真・文/西山俊哉) 野村知永 さん (経営学部 ビジネス企画学科 3年) 門脇佑斗 さん (経営学部 経営学科 3年) 学生のリーダー 朝日大学 フェンシング部 当代 当代 Vol.59 主将

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