カレッジマネジメント198号
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38リクルート カレッジマネジメント198 / May - Jun. 2016で、新たな選抜方法を考案するといった必要性も考えなければならないかもしれない。APについては、DPやCPを考えた後に取り組むのが順番だが、入試要項等を前年6月には公表しなければならないことを考えれば、まさに一体的に作成する必要性と、その難しさはひとしおであると思われる。3つのポリシーは、図表3にあるように、2017年3月末までに公表を終えておくスケジュールになっているが、入試方法の大幅見直し等を行うには2019年度入試以降まで時間を要する可能性がある。どのように改正を実質化していくのか上記のような状況の中、筆者の大学では既に3つのポリシーの見直しを行い、本年4月には新ポリシーを公表する予定で動いている。作成に当たっては、当初は大人数のプロジェクトチームでスタートしたが、中間報告でチームを解散し、学位プログラムの責任者である学部長・学科長にDPとCPの原案作成を任せ、学長と直接やりとりをして修文してきた。メールでのやりとりは全学部長・学科長にC.C.で配信し、良いところやポイントを理解しやすいようにした。一貫性と整合性のあるポリシーを創るうえで、会議で原案を作成するより有効な方式であったと感じているが、学部長や学科長の協力や貢献があったからこそだと思っている。作成した原案は、執行部会議、学科会議、教授会、全学協議会等の所定の学内手続きで決定したが、併せて2月に2日間で実施した全学FDの学科別アワーにおいて相互理解を図った。そこで学科内での役割分担を確認し、個別科目のシラバスを作成していくといった流れで2016年度の教育の準備に当たってきた。その結果、それぞれの学科の事業計画には新たなポリシーを組み入れた取り組みが盛り込まれているが、今後は、年間3回計5日間のFDの際に状況のモニタリングをして、年度末の事業計画の振り返りや自己点検・評価等でのフォローアップを行い、PDCAサイクルを回していきたいと考えている。改正の実質化には、1)ポリシーが検証・測定可能で誰もが共有できるポリシーを作ること、2)作成されたポリシーが教育組織内で共有され、役割分担されること、3)年間を通じ、さらには中期的に進行状況が確認され、その結果自体を再度共有し改善策がとれること等が必要ではないだろうか。図表3 3つのポリシー策定義務化に関する省令の改正・施行と各大学に求められる取組の時期に関する考え方(案)各大学における具体的なスケジュールとして考えられる例 ※教科・科目の変更等が入学志願者の準備に大きな影響を及ぼす場合 出典:平成28年2月17日開催 中央教育審議会大学分科会大学教育部会(第42回)資料 H27年度 H28年度 H29年度 H30年度 H31年度 ★各大学における検討を踏まえた3ポリシーの策定、改正、確認等の取組(3月末までに要完了) 3月 省令改正 施行通知 4月 改正省令施行 ポリシーの策定 ★各大学における各ポリシーを踏まえたカリキュラム改革、入学者選抜方法の改革、SD、FD等の取組  → 可能なものから順次速やかに実施 各大学における3つのポリシー策定が義務に (カリキュラム、評価方法等の見直し) ポリシーの策定 平成30年度入試 要項の公表 平成31年度入試 要項の公表 入試方法の 変更予告 試験実施 試験実施 入学 入学 (入学者選抜方法の見直し) カリキュラム見直し、学習成果の評価方法の見直し、シラバス作成等は各大学において適切に見直し、適宜実施 カリキュラム改革の例 入学者選抜方法の改革の一例 (軽微な変更の場合) (2年程度前予告) (大きな変更の場合※)

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