カレッジマネジメント198号
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46リクルート カレッジマネジメント198 / May - Jun. 2016将来、社会で働くにあたって、保護者はどんな力が必要だと考えているのだろうか。また、わが子が持っている能力をどう捉えているのだろうか。高校生本人と教員の見解とともに確認してみたい。経済産業省が提唱する、12の能力要素から構成される「社会人基礎力」について、高校生・保護者・教員※それぞれに「社会で働くにあたって必要とされる能力」と「現在持っている能力」について、その見解を調査した。「将来、社会で働くにあたって必要とされる能力(図表9上段)」のトップは、高校生・保護者・教員それぞれ「主体性」。三者ともに同じ見解という結果となった。2位については、高校生と保護者が「実行力」に対して、教員は「課題発見力」であった。変化の激しいこれからの社会の中で、自ら課題を発見し、解決に向けて取り組む力が必要だと捉えている。保護者との意識のギャップを埋めるのには少し時間を要すると思われると同時に、その解決には保護者に向けた情報発信も大切になってくるのではないだろうか。3位については、高校生が「発信力」に対して、保護者は「規律性」、そして教員が「実行力」となり、三者の見解が分かれる結果となった。高校生に足りない能力は「主体性」「実行力」「発信力」では、「現在持っている能力」についてはどうだろうか(図表9下段)。保護者と教師はともに「規律性」がトップに対して、高校生は「傾聴力」となっている。2位以下については、高校生が「規律性」「柔軟性」、保護者が「主体性」「傾聴力」、そして教員が「傾聴力」「柔軟性」と続いており、順位の違いこそあるものの、上位項目の顔ぶれに大図表9 社会で働くにあたって必要とされる能力と現在持っている能力 (各3項目まで複数回答)0 0 20 20 40 40 60 60 主体性 物事に進んで取り組む力 実行力 目的を設定し確実に行動する力 発信力 自分の意見をわかりやすく伝える力 規律性 社会のルールや人との約束を守る力 創造力 新しい価値を生み出す力 計画力 課題の解決に向けたプロセスを明らかにし、準備する力 課題発見力 現状を分析し、目的や課題を明らかにする力 柔軟性 意見や立場の違いを理解する力 情況把握力 自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力 (%) (%) 22.0 54.2 54.5 55.7 42.9 41.4 35.3 33.0 25.6 30.2 21.6 27.8 14.2 19.2 12.3 13.9 18.5 16.4 17.6 17.9 43.1 16.4 16.3 18.4 17.7 20.6 18.2 17.0 32.0 12.0 13.4 23.0 7.0 8.2 9.0 5.9 29.0 47.6 40.4 10.0 5.6 6.7 9.1 3.1 12.9 8.3 1.9 23.9 22.7 18.4 20.6 25.6 16.5 8.1 必要とされる能力 現在持っている能力 教員 保護者 高校生 (%)「主体性」「実行力」「発信力」 が子どもに不足保護者の期待は教科の時間より文化祭や体育祭等の教科外活動将来に必要な力※教員は「高校の進路指導・キャリア教育に関する調査」(2014)より高校生・保護者・教師が考えるこれからの社会で必要な力は「主体性」

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