カレッジマネジメント198号
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47リクルート カレッジマネジメント198 / May - Jun. 2016きな相違は見られない。社会で働くうえで必要とされる能力と、現在持っている能力との差に注目すると、高校生・保護者・教員いずれも「主体性」「実行力」「発信力」が浮き彫りになってくるのが分かる。両者の項目の差は10ポイント以上あり、将来働くうえで必要だと感じているにも拘わらず、現在持っていない能力となっている。アクティブ・ラーニングの学習の狙いはまだ保護者には伝わっていない次に、これらの必要な能力を、学校現場ではどこで身につけることができると保護者は捉えているのだろうか(図表10)。上位3項目を見ると、「部・クラブ活動の時間」66.5%、「校外活動(地域行事・ボランティア・インターンシップ等)」56.8%、「文化祭や体育祭等の学校行事」54.4%のように、教科学習以外での時間が挙げられている。昨今、「アクティブ・ラーニング」による主体的・能動的な学習が話題となっているが、教科学習を通じて「思考力・判断力・表現力」「主体性・多様性・協働性」を育んでいく、いわゆる「授業改革」について、保護者にはまだ浸透しておらず、その学習効果や狙いは伝わっていない。高校生が最も多くの時間を過ごす「授業」こそが、これらの必要な力を育む場であるという認識の醸成に向けて、高校は取り組み始めているが、同時に高等教育機関にも求められている。図表10必要な能力を身につけるのに有効な場 (大短進学率別/複数回答)保護者0 20 40 60 80 (%) 77.8 73.9 64.5 53.8 57.0 56.8 45.6 55.2 50.5 67.7 51.5 44.1 40.3 53.2 33.8 38.5 36.6 35.8 31.8 58.1 58.8 29.7 28.4 27.8 13.5 13.3 13.3 12.1 28.7 27.3 25.6 23.3 23.3 22.6 21.2 16.0 16.7 15.0 12.5 7.2 11.5 11.2 8.0 7.1 10.59.8 9.0 7.6 2015年全体 40%未満 40~70%未満 70~95%未満 95%以上 2015年全体158466.556.854.447.436.928.925.620.613.212.49.79.7部・クラブ活動の時間校外活動(地域行事・ボランティア・インターンシップ等)文化祭や体育祭等の学校行事教科の時間(生徒が中心となって主体的に学ぶ授業)総合的な学習の時間教科の時間(先生による一斉講義型の授業)修学旅行や遠足生徒会活動道徳や宗教等の時間留学長期休業(春・夏・冬休み等)の課題ロングホームルーム/ショートホームルーム調査数働きかけ力 他人に働きかけ巻き込む力 傾聴力 相手の意見を丁寧に聞く力 ストレス コントロール力 ストレスの発生源に対応する力 15.7 9.7 8.6 13.0 12.0 15.7 16.3 17.0 19.6 11.0 31.9 27.0 25.0 20.3 9.4 3.0 10.2 7.5

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