カレッジマネジメント198号
58/66

60リクルート カレッジマネジメント198 / May - Jun. 2016「教学創造こそ財政」の認識に立ち財政施策を展開当初「12カ年計画」として始まった「第1次長期計画(1975-1984)」を皮切りに、現在進行中の「第5次長期計画(2010-2019)」まで、5次にわたる長期計画が龍谷大学の発展に極めて大きな役割を果たしてきたことは明らかである。赤松徹眞現学長も龍谷大学公式サイトの学長挨拶において、「本学では、1975年から長期計画に基づく大学運営を進めています。2009年度までの間に、4次にわたる長期計画を策定し、弛みなくかつ計画的に大学改革を実行してきました。現在推進している第5次長期計画は、2010年度から2019年度までの10カ年に及ぶ長期的な総合計画であり、本学の使命や『2020年の龍谷大学像』を明確に示した上でグランドデザインを策定し、具体的な改革に取り組んでいます」と述べている。長野氏が説明する龍谷大学の長期計画の特徴は、1)長期計画を策定する際には、必ず事前の長期計画を総括し、そこから導き出されたものを基本に次の長期計画を策定する、いわゆるPDCAサイクルに基づく長期計画を推進2)建学の精神を堅持しながらも、時代の変化に応じた進取の姿勢と柔軟な発想で長期計画を展開3)教学改革とそれを担保する財政計画を常に一体的に取り組むことで教学創造と大学の発展を実現4)全構成員が参画する対話のある大学運営(ボトムアップ)と大学執行部のリーダーシップ(トップダウン)を高次元にバランスさせた計画策定の4点である。特に、長期計画を支える財政計画は、他大学にはない特異なものであり、2001年度に策定した「龍谷大学財政基本計画」では、①財政は教学運営方針に従属するが、同時に制約条件でもある、②「教学創造こそ財政」の認識に立つ、③財政政策を主体性、安定性、健全性、社会性をキーワードに具体化する、という3つの基本理念を掲げている。この理念に基づいて、各学部財政自律促進システム、事業評価システム、事業目的別予算科目、財政検証システム、長期財政計画、人件費枠施策などの具体的財政施策が展開されている。このうち人件費枠施策は、教員人件費を学部ごとに、それぞれの学生納付金収入の一定範囲内に設定し、その範囲内で各学部が主体的に人事を行うことを基本にしたものである。職員人件費についても同様に、大学全体での学生納付金収入に対する比率を設定して、計画的な人事を行っている。意欲喚起と能力の向上・発揮を促す人事制度改革財政基本計画の推進を通して、限られた職員人件費枠の中で、職員体制を如何に充実させるかという課題がより強く認識されるようになり、2009年度実施の人事制度改革に繋がっていく。その目的は、職員一人ひとりが課せられた役割と責任を自覚し、職務に対する意欲を持ち、職能及び専門性を向上させ、それらを職務遂行において発揮できる人事制度の確立と、職員の人件費枠を遵守しつつ、適正な事務組織の体制を■ 龍谷大学12カ年計画の推移0 500000 1000000 1500000 2000000 2500000 3000000 3500000 1980年度 1974年度 (千円) (人) 0 2000 4000 6000 8000 10000 12000 14000 学費 (円) 学納金収入 (千円) 補助金収入 (千円) 教員数 (人) 学則定員 (人) 学生数 (人) (11,884人) (3,096,389千円) (1,527,462千円) (309,854千円) (130,000円) (363,000円) (1,056,383千円) (8,313人) (4,779人) (198人) (200人) (6,179人) 1974年度1980年度補助金収入 (千円) 309,8541,056,383学納金収入 (千円) 1,527,4623,096,389学費 (円) 130,000363,000学生数 (人) 11,8848,313学則定員 (人) 4,7796,179定員倍率2.51.3教員数 (人) 200198

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

page 58

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です