カレッジマネジメント199号
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27リクルート カレッジマネジメント199 / Jul. - Aug. 2016地方と東京との人の流れを見てみると、地方から東京への転入超過の大半は、「大学進学時」と、大学卒業後の「就職時」という、2つのタイミングで生じている(図表1)(図表2)。地方への人の流れを確かなものとするために、大学等が果たしていく役割は極めて大きい。こういった視点に基づき、政府として、若者の地元大学等への進学、地元企業への就職や都市部の大学等から地方企業への就職を促進する新たな奨学金制度を構築したところである。具体的には、①地元大学等進学時に、日本学生支援機構が優先枠(地方創生枠)を設けて無利子奨学金を貸与するとともに、②地方企業等への就職時に、奨学金の返還を支援する基金を地方公共団体と地元産業界が協力して造成する取組に対して、総務省が特別交付税による支援を行う、というものである(図表3)。既に多数の地方公共団体が、この制度を活用し、地元に就職する方に対する奨学金返還助成事業を開始している。文部科学省では、2015年度から、大学等を対象とした「地(知)の拠点大学による地方創生推進事業(COC+)」を実施している(図表4)。この事業は、大学等が地方公共団体や企業等と協働して、学生にとって魅力ある就職先の創出をするとともに、その地域が求める人材を養成するために必要な教育カリキュラムの改革を断行する大学の取組を支援し、地方創生の中心となる「ひと」の地方への集積を目的とするものである。2015年度は、42の大学等が「地(知)の拠点大学による地方創生推進事業(COC+)」に採択され、それぞれの事業に協働機関として参加した連携大学等を加えると、256もの大学等が地方の活性化、魅力化の取組に参画している。そのうえで、「学生の県内就職率の向上」、「企業等へのインターンシップへの参加学生数の向上」といった目標の実現に向けてご努力頂いていることは特筆すべきことである。※既に基金を造成している道府県の事例を参考に算出したもの。実際の事業執行にあたっては、各地方公共団体が設定。「○○県人口減少対策・就職支援基金」【標準的な基金規模※】年間支援対象者 :100人1人あたりの奨学金(貸付)額:400万円 ⇒基金規模:4億円①対象学生を推薦③奨学金返還地方大学等への進学、地元企業への就職や、都市部の大学等から地方企業への就職を促進②奨学金貸与を設定④要件を満たす者に対して奨学金 返還の全部又は一部を負担大学生等無利子の優先枠(地方創生枠)1都道府県あたり各年度上限100名・ 当該特定分野の学位や資格の取得・ 「地方経済の牽引役となる産業分野」や「戦略的に振興する産業分野」に係る地元企業に就職 など※ 地方公共団体と地元産業界が合意 して設定対象者の要件地元産業界一般の寄付等出捐道府県等出捐文科省独立行政法人日本学生支援機構総務省道府県等の基金への出捐額に特別交付税措置【事業イメージ】連携図表3 奨学金を活用した大学生等の地方定着の促進地方創生奨学金がスタート3「地(知)の拠点大学による地方創生推進事業(COC+)」4特集:地学地就の教育
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