カレッジマネジメント199号
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55が多いですね」。初めから「息を吸うようにプログラミングする」ができるわけではない。「小さな成功経験」をすることで伸びていく。となると、大事なのは機会提供だ。大事ではあるが「非常に簡単なこと」と岡学長は言う。「例えばプログラミングで、タスクがあって、それをゼロから作って、動かして、面白い結果を出すと。自分で全部ワンセット作ると、充実感がわくのですよ。他人から見ると本当につまらないことでも、当人にとっては大事な巨大な意味を持つような、小さな成功ですね」。いろいろな大学が「グローバル人材育成」を目標に掲げるが、学生にしてみれば遠すぎて、近場の目標が欲しくなる。ところがそのような目標が設定されていないことが少なくない。「どれだけやっても届かないところに目標があるように思うと、やる気がなくなるのですよ。だから低い小さな目標でもやってもらうといいですね」。ゴリズムを創造する、作り上げる感性が育ってほしいと私は思っています」。プロの本質は、技術としてのアルゴリズムと、デザイン。そしてもう1つ、ビジネスモデルとしてのマネタリングのシステムの確保だと言う。就職の傾向にも、会津大学らしさは表れている。「基本的にIT系では、あまり大企業に対する魅力を感じないというところがありますね。われわれの世代では初めて聞くようなところが、それなりに給料が高かったり、仕事が面白かったりということで人気が高い。ITというのは生産性が高いので、学生の就職先は企業規模を問わず結構給与水準が高い。それもあって、昔の価値観とは違う世界ができているのです」。開学以来の平均就職率は97%と高水準だが、IT系は、転職の活発な業界卒業生がIT会社でなくIT業界で生き残るのが目標ITに特化した大学から「働くと学ぶをつなぐ」というテーマを眺めると、何が見えてくるのだろうか。「ITでは、アマチュアとプロの世界というのは結構違うのです。例えばベンチャーが立ち上げるIT企業は、全部とはいいませんが、ほとんどがアマチュア的な発想が多い。私などには、本当のプロの戦いではないように見えます。時代を革新するような技術、具体的に言うとアルゴリズムを新しく作り出したり、needを発見して、それが世界を席巻するところまでいかないと、本当の意味でプロ向きの働く高度さは獲得できないのではないか。われわれとしては学生さんに、そういう、時代を画する技術を身につけてほしい。まずは最低の能力として、道具としての英語とプログラミング能力と、アルゴリズムにつながる数字の能力。その上で、アル大きく異なるアマチュアとプロリクルート カレッジマネジメント199 / Jul. - Aug. 2016【カリキュラムの特色】5フィールド(専門領域)と9トラック(履修領域)FIELD 01TRACKFIELD 02FIELD 03FIELD 04FIELD 05コンピュータ・サイエンスコンピュータ・サイエンス基礎コンピューテショナルモデリングTRACKコンピュータシステム設計VLSI(大規模集積回路)設計共通科目TRACKバーチャルリアリティとヒューマンインターフェースロボット工学と制御バイオメディカル情報技術TRACKコンピュータネットワークシステムTRACKソフトウエア・エンジニアリングコンピュータシステムコンピュータネットワークシステム応用情報学ソフトウエア・エンジニアリング専門科目卒業論文ベンチャー体験工房キャリアデザイン専門科目専門科目専門科目専門科目その他の科目

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