カレッジマネジメント200号
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65こうした歩みを紐解けば、「國學院ブランド」が拠って立つ歴史的基盤は明らかだ。現在、國學院はビジョンとして「『國學院ブランド』の確立と強化」を掲げる。「建学の精神を活かした個性ある教育と研究の実現」と「日本社会の中核を担い、グローバル化する時代に対応できる人材の育成」の2つの課題で構成されたものだ。この2つの課題が示すように、國學院は自らのブランドが、歴史を通して育んできた自らの強みを伸長させ、現代的課題への対応に活かすことで強化されると認識していると言っていいだろう。当たり前のことを当たり前に、真摯に追求してきているとも言える。國學院が展開する取り組みは奇を衒ったものではない。國學院は現在、文学部、経済学部、法学部、神道文化学部、人間開発学部の5学部に加え、文学・経済学・法学の3つの研究科と法務研究科(専門職大学院)で構成されている。日本に2つしかない神職養成大学の一つとして神道文化学部が特徴的だが、基本的に人文社会科学系の大学であり続けている。最近の改組は、2002(平成14)年の神道文化学科開設、2009(平成21)年の人間開発学部創設だ。他大学に比べると、学部学科を大幅に変えてきたわけではない。ここから示唆されるように、國學院にはブレがない。創設時の理念を受け継ぎ、日本固有の考え方や感じ方を教育・研究していこうとする姿勢を変えていない。学部学科を作るにしても、歴史的なDNAに根差していなければダメだと赤井学長は述べる。そもそも、目的養成型にシフトする国立大学と比較し、私立大学の選択肢はそれほど多くないと学長は語る。私立大学は個性や独自性を明らかにしていくしかないという。國學院の広報には、「もっと日本を。もっと世界へ。」といったコピーが使われているが、これらも國學院の教育研究を分かりやすく描出したものと見てよいだろう。赤井学長は「教育研究の中身をちゃんと知ってもらえれば、國學院を選んで頂けるはず」と胸を張る。3つの慮おもい、5つの基もとい赤井学長自身、大学にブランド概念を持ち込んでよいか、最初は躊躇したそうだ。しかし2007年の副学長就任に際し、思い切って「ブランド」を使い始めたところ、思いのほか学内から支持を得られたという。それ以降、ブランド戦略を通して、少しでも國學院の教育研究の中身を知ってもらえるなら意味があると考えるようになったと語る。リクルート カレッジマネジメント200 / Sep. - Oct. 201620162016特集 進学ブランド力調査図表1 「21世紀研究教育計画(第3次)」の体系日本社会の中核を担い、グローバル化する時代に対応できる人材の育成最重要課題-2建学の精神を活かした個性ある教育と研究の実現最重要課題-1「國學院ブランド」の確立と強化Vision建学の精神Mission 使命Vision「 國學院ブランド」の確立と強化5つの基い(視点)Action 戦略実行の取り組み『研究教育開発推進に関する指針』に示された『3つの慮い』(「伝統と創造の調和」「個性と共生の調和」「地域性と国際性の調和」)を大学の使命(Mission)とします。このMissionに基づき、大学の将来像(ありたい姿)を明確化しました。Visionは5年後の大学のありたい姿、即ち「『國學院ブランド』の確立と強化」とします。Visionを達成するために、「建学の精神を活かした個性ある教育と研究の実現」「日本社会の中核を担い、グローバル化する時代に対応できる人材の育成」の2つを最重要課題とし、そのための戦略を策定します。Vision達成のために教育・研究・人材育成・国際交流・施設設備の5つの視点(5つの基盤整備)から、より具体的な戦略目標を策定します。各基盤整備の取り組みと基盤整備間の連携構築それぞれの視点から、ビジョン達成のための戦略を策定し、それぞれの戦略を実行するための取り組みについても具体化します。伝統と創造の調和個性と共生の調和地域性と国際性の調和国際交流基盤整備人材育成基盤整備研究基盤整備教育基盤整備施設設備基盤整備3つの慮いおもおももと

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