カレッジマネジメント200号
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67リクルート カレッジマネジメント200 / Sep. - Oct. 2016(杉本和弘 東北大学高度教養教育・学生支援機構教授)いう。さらに、教育・研究活動を直接支える組織として教育開発推進機構と研究開発推進機構もある(図表2)。いずれの機構も赤井学長が主導して整備してきたものだ。今後、教育開発推進機構の更なる充実や、そこでのIR機能の連携強化を図っていく方針だ。では、こうしたインフラ整備を通して、國學院が養成を目指すのはどのような人材なのか。赤井学長は、分かりやすく言えば「日本人としての芯が通っている人材」「空間軸・時間軸をしっかり持って自分の立場を相対化できる人材」だと説明する。そうした人材育成のために、國學院では教養総合科目として「國學院科目」「日本語科目」「神道科目」等、特色ある科目を開講している。國學院科目には、例えば、54畳の和室教室で行う日本文化体験型授業がある。和歌や将棋といった日本の伝統文化、所作や礼法等を教える授業だ。赤井学長は、グローバル化が進行する中、海外の文化を学んで世界に出ていく「プッシュ型人材」だけでなく、日本の魅力を理解して海外の人を惹きつける「プル型人材」の育成も必要だと語る。例えば、日本固有の文化風土の背景を相手が解釈しやすいよう話せる人材。図書館にある古文書や巻物の歴史的意義を英語で説明できる人材。そうした人材を育成する等、國學院らしいグローバル化を目指したいと学長は言う。國學院は、歴史と伝統を保持しつつも、ニーズに即して変えるべきところは変えていこうと、果敢に挑戦している。平成26年度から、学生1万人を対象にした「國學院大學学生リアル調査」を実施している。学生の声に耳を傾け、本気で改革していこうという姿勢は明確だ。リアル調査報告は、認証評価結果や21世紀研究教育計画と並び、大学施策の判断材料の一つとして重視していると赤井学長は語る。さらに、今後の課題は大学のガバナンスとマネジメントの強化だと学長は考えている。学部・組織や世代間を超えて、大学全体でベクトルを合わせていくことが必要だという。そのためにも、現在、教員の初任者研修を充実させて若い世代を育てることに力を入れている。若いミドルマネジメント層が育てば10年後・20年後に大学が変わっていくはずだと学長は見る。赤井学長には、インタビューの最後に、神道に「中なかいま今」という言葉があることをご教示頂いた。中今とは、過去から未来へと連綿と続く時間の中に「今」を捉える考え方だ。つまり、今やるべきことに思いを込めること。長い時間軸の中で今を捉え、それに真摯に向き合う姿勢は、まさに國學院の大学運営や改革に通底しているように思われた。ガバナンスとマネジメント強化に向けて教 育 開 発 推 進 機 構事業・予算・人事計画の策定研 究 開 発 推 進 機 構◆学長 ◆機構長 ◆教学担当理事 ◆副学部長◆4センター長 ◆事務局長 ◆機構専任教員●全学FD推進●学部FD推進支援●教学関連データの 収集・分析●授業運営への 学生補助●IR●教養総合に関する 研究開発●初年次教育の研究 開発●言語教育の研究 開発●共通教育カリキュ ラム検討● 修学・履修相談●障害のある学生 支援●リメディアル教育の 研究開発●ボランティアステー ションの運営●外国語自主学修 支援●課外外国語講座 企画・運営●海外留学等のため の外国語学修支援●共同研究の企画・立案・ 実施●外部資金の導入による研究●若手研究者の育成●学外研究提携等の実務教育開発センター共通教育センター学修支援センターランゲージ・ラーニングセンター●校史・学術資産展示●神道関係展示●考古学関係展示●企画展示●校史研究部門●学術資産研究部門●折口博士記念 古代研究所部門●考古学資料館部門●神道資料館部門●神道・国学研究部門●国際交流・学術 情報発信部門國學院大學博物館校史・学術資産研究センター学術資料センター日本文化研究所学 長機 構 長小 委 員 会・プロジェクト研究開発推進機構運営委員会研究計画・予算・教員人事・配置等の審議機 構 長人事委員会研究開発推進機構企画委員会教育開発推進機構運営委員会研究計画原案策定・日常的研究業務等の調整企画調整員資料選定員研究開発推進センター20162016特集 進学ブランド力調査図表2 教育開発推進機構と研究開発推進機構

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