カレッジマネジメント200号
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70リクルート カレッジマネジメント200 / Sep. - Oct. 2016合併効果は改組された教育学科のみに表れたわけではなかった。すなわち、教育学科では定員100人のところに1500人ほどの志願者と群を抜いて高い倍率を示したが、それ以外の全学部において志願倍率が上がったという。加えて、偏差値が上昇し42.5(河合塾調べ)を下回る学科専攻がなくなったこともうれしい結果である。これは、より高学力層による志願者の増加であったことを意味し、ここ数年、やや翳ったかにみえた広島修道大学のブランド力が再評価された。それを示す別の証左として、これまでのオープンキャンパスの来場者5100人程度が、2015年度には一挙に6100人を超える人数にも増加したこと、また、中学生の見学ツアーには800人が参加したことを挙げれば、広島修道大学の評価が上昇したことは十分に納得されよう。「最近、高校の先生方からは、広島修道大学もようやく眠りからさめて動き始めましたねと、言われるようになりました」と、市川学長は苦笑されつつ話される。教職協創によるマネジメント法人合併の過程において、学内の一部の反対があったものの、学園及び大学全体としては円滑に進んだと言える。この一大事業が滞りなく進んだのは、何よりも大学のマネジメントを担当する事務局長を始めとする事務職員の力によるところが大であった。大学職員のマネジメント力は今後の大学経営を左右することに気づいた大学は、各種の研修などにより職員の高度化に力を入れている。広島修道大学の場合、既に1990年代半ばに事務組織の改革に着手し職員の力量向上を図っていた。それ以来の事務組織に関する学内改革とその成果があってこそ、法人合併がスムーズに進んだと言ってよいだろう。市川学長が1996年最初の学長に就任したとき、110人の事務職員を年齢別に10人程度のグループに分けて全員と面談したのが、事務組織と事務職員の処遇の改革の契機であった。大学改革の鍵は、事務職員がいかに教育研究を支援し、かつ、大学を経営するマインドを持てるかにあると考えたからであるが、面談で明らかになったことは、職員の異動が少なく、大学の管理と教務との両方を理解する者が少ないということであった。そこで、7年以上同じポジションにいる者を異動の対象とし、結果的に30%以上の職員が異動することになった。それ以来、管理部門と教務部門の異動は必須となった。同時に外部機関を利用した管理職職員研修も数年間行って、職員の意識改革に努めた。2010年に市川学長が2度目の学長に就任すると、「教職協創」を掲げ、教員と職員とで学内に新たな価値を創造(Co-Creation)するための取り組みを実施してきた。代表的なものは人事制度の改革であり、例えば、2011年には教員の理事ポストを職員に回し、事務局長を理事としたこと、2013年に事務組織を部制からセンター制に変更し、職員部長制を導入できるように規程改正したこと、2016年に役職定年制を導入し60歳を62歳へ引き上げたことなどである。特に、センター制・職員部長制への移行によって、センター、学長室、図書館など10の事務部門のうち5つの事務部門は教職員どちらでも長に就けるようになり、現在、学長室長、学生センター長が職員である。また、センター制の導入により、教学センター、入学センター、財務部、総務部、キャリアセンターなどでは事務部長(職員)を置いている。センター長・部長となった職員は教員と共に大学評議会に出て、運営に責任を持つように図表2 広島修道大学の志願者数・志願倍率50006000700080009000100001100012000979899200001020304050607080910111213141516(人)(倍)(年度)志願倍率志願倍率志願者数志願者数012345678

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