カレッジマネジメント200号
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74大学は、最終学歴となるような「学びのゴール」であると同時に、「働くことのスタート」の役割を求められ、変革を迫られている。キャリア教育、PBL・アクティブラーニング等座学にとどまらない授業法、地域社会・産業社会、あるいは高校教育との連携・協働等、近年話題になっている大学改革の多くが、この文脈にあると言えるだろう。この連載では、この「学ぶと働くをつなぐ」大学の位置づけに注目しながら、学長及び改革のキーパーソンへのインタビューを展開していく。各大学が活動の方向性を模索する中、様々な取り組み事例を積極的に紹介していきたい。今回は、「経験値教育」を掲げる園田学園女子大学で、川島明子学長と、大江篤教授(人間教育学部/地域連携推進機構副機構長)にお話をうかがった。引き継いだ「動き続けていく必要がある」という思い川島明子学長は、今の大学が置かれた状況を「戦後の、学制が変わったときと同じぐらいに、大きな変革の時期にある」と捉えている。「少子化はもちろん、学生の多様化、ユニバーサル化、グローバル化といった変遷を踏まえ、女子大の地位をどうやって確立していくべきかについてもう一度考える段階にあると感じている。園田学園女子大学・園田学園女子大学短期大学部は2013年に、創立50年を迎え、建学の精神や教育理念を振り返り、その振り返りを経て、これからも女子大であり続ける」ことは、揺るぎのないものとなっている。さらに、幼、小、中、高教諭、保育士、看護師、管理栄養士等の資格を取得させ、それを生かして地域社会に貢献するという大学のミッションも確認した。昨年就任した川島学長は、歴代の学長の教育改革への精神を引き継いでいる。「本学のような小規模の大学は、常にイノベーションしていかないといけない。そのためには、学長自ら動いて、前進していく必要がある」と。知識を知恵に変える「経験値教育」人間健康学部と人間教育学部の2学部と短期大学部という、実学主体の現在の学部構成は、大学での「学ぶ」が「働く」に直結しているということだが、そこからさらに「経験値教育」という独自性の高い言葉を打ち出した狙いは何だろうか。「今の学生は、知識や技能は大学の講義を通じて身につけるが、学校という守られた環境から外に出ると、社会というのは容赦がない。いろんな経験をして、落ち込むこともあると思うのだが、それを乗り越えて、そしてそれを知恵として、社会で活躍してほしい。特に本学は女子大学なので、結婚や出産、子育てでキャリアが中断した女性が、もう一度職場に復帰するとき、飛び上がる力というか、知識を知恵に変え、頑張りぬく力を身につけさせたいと思っています」(川島学長)。2013年度に「〈地域〉と〈大学〉をつなぐ経験値教育」が文部科学省の「地(知)の拠点整備事業(大学COC事業)」に採択。「尼崎市を中心とした地域に学生を出させていただいて、学内では得にくい社会での経験を積み重ねて❸園田学園女子大学経験値教育プログラムで地域と共に歩む大学へリクルート カレッジマネジメント200 / Sep. - Oct. 2016川島明子 学長

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