カレッジマネジメント200号
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8リクルート カレッジマネジメント200 / Sep. - Oct. 2016金を得るために、例えば文科省補助事業に採択されること等も大学の重要な取り組みです。実際、現在は4つの文科省の競争的資金が走っています。法人化前にはなかったものを獲得することで、できなかったことができるという良い循環を創っていけるメリットやインパクトがありました。 また、COC+に関連させると、本学のような地方の公立大学はある意味で動きやすい部分もあります。設置団体との距離が近く、一体となった取り組みができるのです。更に北九州市内には10の国公私立大学があります。特色のある単科大学もあるので、大学間連携が進めばいわゆるユニバーシティになります。COC+もそうですが、そうした地域の強みを生かそうということで、私も他大学の学長を訪問し、それぞれの大学の良さをどう生かすかについて話し合い、一層の連携を進めています。司会 法政大学もSGUに採択されています。外部資金は良い刺激にもなる一方で、期限があるために予算も限定されますが、その効果をどう考えていますか。田中 実際は、最初から持ち出し前提と覚悟してやっています。例えばSGUの期限は10年ですが、もっと先まで展望して考えなくてはいけません。そうしたことを含め、2年間かけて「法政大学2030」という2030年を見据えた長期ビジョンを創りました。その中に外部資金獲得による計画も入っています。長期ビジョンは私が総長になったときのマニフェストで必要性を掲げていました。これまで私立大学は財政面も含めて外部資金等いつも外の声に翻弄されている状態でやってきました。それはある意味で大変危機的な状態です。 もう一つは、進学率の高まりで受験生が多くなる拡大の時代には、少子化が既に始まっていたにも関わらず、学部やキャンパスを増やしてきました。ところが現在、本当の少子化が進行する中で、今まで拡大したものをこれからどうするのか、長期ビジョンが必須となっています。2030年までを見越して少子化の時代にどういう手を打っていくのかについてまとめています。今年度から具体的な16のプロジェクトに落として進めています。司会 2030年のビジョンはどういう形のプロジェクトで創られたのでしょうか。田中 法政大学が抱えている主要な課題を討議するため、委員会を5つ設置しました。財政基盤検討委員会、キャンパス再構築委員会、ダイバーシティ化委員会、ブランディング戦略会議、そして全体を統括する策定委員会です。私立大学にとって少子化を迎えて財政状況がどうなっていくのかが一番重要な問題です。まず現状を正しく把握したうえで、土地や建物の運用等も含め、どれだけ予算の見直しをしなければならないのかも検討しました。そうした委員会で精力的に集中審議し、全体をまとめる策定委員会の長を私が担当するという形で進めてきました。司会 大学改革を動かしていくドライバーとして外部資金を使うこと、中期計画を策定すること等が挙げられています。改革のドライバーをどのように考えていますか。吉武 やはり大学が主体になることです。例えば、国立大学は法人化までは文部科学省を中心とする一塊の一部でしたが、そこから真の意味で自立しないと、せっかく広がった社会との接触面を生かすことができません。大学の周りにいる学生、保護者、そして地域社会・企業との対話を通じて大学自身が五感で社会の変化を感じ、単に社会に迎合するのではなく、教育研究はどうあるべきなのか、大学自身が発想することが重要です。その点長期プランは、社会を洞察して自分たちはこれからどう打って出ていくのかを考える契機になります。そこに文科省が打ち出してくる施策を上手に利用していくことが大事になります。しかし、そうしたことを主体的に考えている大学もあれば、文科省が打ち出す施策を一生懸命に球拾いして、右往左往している大学もあります。執行部の右往左往している姿を冷ややかに見ている教育現場もあります。地域と大学司会 少子化により人口が減少する中で、地域との関わりを経営的にはどのように捉えていますか。山崎 少子化に関して、金沢大学は他の地方都市にある国立大学とは立ち位置が違うという認識を持っています。金沢は高等教育機関の集積が高く、人口比率で言えば全国で2番目ですし、かつ18歳人口は増えています。大都市を除いて地方都市では唯一の地域だと思います。ただし22歳
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