カレッジマネジメント201号
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16リクルート カレッジマネジメント201 / Nov. - Dec. 2016うが「実習室や教室等の雰囲気」(文系34.6%、理系46.1%)と、教育施設に注目する傾向がある。これに対し、イベントで良かったところのトップは「キャンパスを見られたこと」(84.3%)、次いで「施設・設備を見られたこと」(53.0%)「在校生の話・対応」(40.5%)が続く(図表10)。男女別では、ほとんどの項目で女子が男子を上回っており、女子はより多くの情報を受け取って帰るようだ。特に「在校生の話・対応」「学部学科・カリキュラムの説明」で、女子のポイントが高い(各45.7%、38.2%)。「良かったところ」を、前述の「知りたかったこと」と比較すると、トップの「キャンパスの雰囲気」については期待に応えられているが、知りたかったことの2位であった「学校で勉強できる内容」にあたる、「学科・カリキュラムの説明」や「模擬授業」に関してはトップ3に入っていない。学部や学科の名称や内容、入試が多様化し、高校生にとって各大学の特色が分かりづらくなっている。高校教員も、生徒に相談されても全てを把握するのは至難の業で、「オープンキャンパスに行って見てきなさい」という指導につながる。その結果が、「教育内容を知りたい」=ほかの学校との違いを知りたい、という高校生の声に表れているが、まだまだ伝わりきっていないということが言えるのかもしれない。専門学校主催イベントの良かったところは、「在校生や先生の話」が増加専門学校進学者の場合、イベン知りたかったことの1位の勉強内容に対応する「学部学科・カリキュラムの説明」は9位、「体験実習」が6位と、こちらも期待と評価のギャップがある。経年では、2回連続増加しているのが「在校生の話・対応」(42.3%→45.4%→49.1%)、「先生の話・対応」も前回より増加。前回4位だった「体験実習」を逆転しており、構成要員への注目が高まっていることが分かる。オープンキャンパスは確認の場からコミュニケーションの場へかつては学校の施設や授業を一方的に体験・確認する場であったオープンキャンパスも、今では在校生や先生の参加が増え、双方向コミュニケーションの場となっている。昨年実施したリクルート『高校生価値意識調査』で、高校生に学校に対する好感度が上がった経験を聞いたところ、「先輩たちの目標と自分の夢が一致して、この学校で頑張ろうと思えた」「自分のやりたいことがこの学校でできると大学の先生に背中を押された」等、「自分のやりたいこと」と先生や学生から伝わる「大学の特色」の合致に共感を覚えた、という声が多くあった。高校生がオープンキャンパスに求めるのは、各学校の教育内容の特色や個性の確認だ。イベントの参加者に対しては、学校側の誰に聞いても同じ学校の特色が話せるよう、共通言語化・認識化しておきたい。トで知りたかったことのトップは「学校で勉強できる内容」(64.8%)、次いで「実習室や教室等の雰囲気」(59.2%)、「在校生の様子や雰囲気」(49.7%)と続く(図表11)。実習室、資格や就職の情報が上位に入り、キャンパスの雰囲気が低い点は、大学と異なっている。男女別では、「学校で勉強できる内容」「取れる資格」については男子のほうが高く、それぞれ約10ポイント女子を上回っている。女子は、実習室や教室・キャンパス・在校生の雰囲気や、どんな先生がいるかという点に注目。また、大学進学者同様、入試や学費の情報も求めている。「何を学んでどうなれるのか」に注目する男子に対し、雰囲気や構成要員から自分の居場所を探す女子。大学進学者の場合、男子が女子を上回る項目が一つもなかったが、専門学校進学者男子は比較的目的意識を持って参加していることが分かる。イベントで良かったところのトップは、「施設・設備を見られたこと」(58.2%)、次いで「実習室や教室を見られたこと」(54.2%)、「キャンパスを見られたこと」(53.0%)とハード面が上位を占めた(図表12)。男女別では、全体的に女子のスコアが高く、特に施設や設備・実習室を見られたこと、先生や在校生の話が高い。特に「在校生の話・対応」は男女の差が大きい項目だ(男子32.1%・女子54.3%)。男子のスコアが高いのは「取れる資格・支援体制の説明」「就職状況・支援体制の説明」等となっている。

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