カレッジマネジメント201号
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38リクルート カレッジマネジメント201 / Nov. - Dec. 2016することで、ディプロマポリシーを達成していることを保証するという意図がそこにはあったという。そして、アセスメントポリシーとして、教学IRの位置づけを明確にするために「教学アセスメントポリシー」を2015年に策定し、卒業予定者アンケートを実施する等、その検証にも取り組んできた。他方、学部・学科の3つのポリシーの策定以降、大学全体の教育のあり方に対しては、個々の学部を超えた愛媛大学の学生に期待される能力を示した「愛媛大学学生として期待される能力〜愛大学生コンピテンシー〜」の策定(2012年)と、全学的な学士課程の3つのポリシーの策定(2015年)が進められた(図表2)。前者は、「大学憲章」の教育の内容では、正課のみでなく、準正課、正課外活動を含めた人間形成を図ることが掲げられていたことを背景に、その内容を具現化するために、大学として学士課程卒業時に習得を期待する到達目標を可視化して学生に提示することを目的に作成されたものである。5つの能力と12の具体的な力によって構成されている(図表3)。その内容には、一般的な能力項目だけでなく、四国遍路にヒントを得た「お接待の心」等、「愛大らしさ」を含めることに配慮されている。さらに、この「愛大学生コンピテンシー」の特徴は、能力項目を具体的に示しただけなく、大学教育・大学生活を正課内(卒業するために必要な授業科目や研究活動)、準正課(卒業要件には含まれないボランティア活動、留学、下級生への学習支援活動等)、正課外(サークル活動等)に区分し、その能力形成の機会を提供する責任を大学の目標と位置づけている。愛媛大学では、これを大学としての方向目標と称している。「全学的な学士課程の3つのポリシー」は、大学憲章と学部・学科の3つのポリシーをつなぐことを目的に作成されたものである。これによって、愛媛大学では、教育・研究・社会活動全体のあり方を定めた「大学憲章」、卒業時の到達目標と大学教育の方向性を示した「愛大学生コンピテンシー」、大学全体の3つのポリシー、学部・学科の3つのポリシーが整備されたこととなる。3つのポリシーの見直しの2つの背景愛媛大学では、2007年度に策定した学部・学科の3つのポリシーに対して、見直しと検証が進められてきた。現在、今年度末までに、全学のポリシーと学部・学科のポリシーを見直すための検討が進められている。この見直し作業には2つの背景がある。一つは、高大接続改革への対応である。準正課教育:愛媛大学では「卒業要件には含まれない、あるいは単位付与を行わないが、愛媛大学の教育戦略と教育的意図に基づいて教職員が関与・支援する教育活動や学生支援活動」と定義。ただし、正課教育や正課外活動との境界は固定されたものではない。アドミッション・ポリシーにもとづく入学者選抜カリキュラム・ポリシーにもとづく教育課程の編成ディプロマ・ポリシーによる卒業認定・学位授与正課教育専門教育科目卒業入学共通教育科目準正課教育正課外活動1年2年3年4年(~6年)DPの達成愛大学生コンピテンシーに対応図表2 愛媛大学における学士課程教育の概念図ⅤⅠⅡⅢⅣ1. 必要な情報を収集・整理できる2. 個別の知識や技能を相互に関連づけながら習得できる3. 習得した知識や技能を基に自分の考えを組み立て、適切に表現(記述・口述)できる4. 広い視野と論理的思考に基づき分析・解釈できる5. 科学的根拠に基づき判断し、解決策を提示できる知識や技能を適切に運用する能力論理的に思考し判断する能力6. 様々な状況に応じて適切な対話・討論ができる7. 目的達成のために多様な人と協働できる多様な人とコミュニケーションする能力8. 自らの個性や適性を活かして行動できる9. 社会的関係の中で自分の行動を調整できる10. 他者を理解し、他者のために役立つことができる11. 集団・組織の一員として自覚と誇りをもって行動できる12. 地域の課題を、地球規模で考え、解決に向けて貢献できる自立した個人として生きていく能力組織や社会の一員として生きていく能力愛媛大学学生として期待される能力[愛大学生コンピテンシー]図表3 愛媛大学学生として期待される能力(愛大学生コンピテンシー)

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