カレッジマネジメント201号
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41してきたと西本学長は説明する。そのコアとなったのは当然ガバナンスであろう。「この20年間で、理事会及び学長を中心に、ニーズの変化に迅速に対応する組織の体制や文化を軌道に乗せてきました。もちろん、学部・学科の意見を反映させながらですが、中央主導の計画がなければこれだけ精力的な改革は不可能だったでしょう。全学に関わる重要事項は学長主導で一体的に進めてきました」と西本学長は語る。新ブランドステートメント「世界の幸せをカタチにする。」さて、武蔵野大は2016年、新たなブランドステートメントを策定・公表した。もちろん、これまでにブランディングがなされなかったわけではない。2003年、「目覚め」「つながり」「ひろがり」の3つの要素から構成されるブランドアイデンティティを発表している。「無数の縁からなる自己と社会に目覚め(Awakening)、共創できる実践力を鍛え(Link)、次代を切り拓く(Growth)」が基本目標だった。確かに仏教精神を反映したキーワードが用いられ、武蔵野大のアイデンティティを示すものである。しかし、「文章がやや長く、頭にすっと入ってこない。武蔵野大学らしさをもっと分かりやすく伝える、宣言のようなものが必要だった」と西本学長は語る。新たなブランド策定のプロジェクトが始動したのは2年前。2014年5月、20名の若手教職員が集まって教職協働のプロジェクトチームが結成され、今年(2016年)1月までに都合14回に及ぶワークショップで議論が重ねられた。しかし、当時既に9学部の総合大学となっていた武蔵野大にとって、網羅的に共通の言葉を作り出すのはなかなかに難しかった。学生・地域・企業の声に耳を傾け、今日的な言葉で発信すべく努めたと学長は言う。このプロセスから誕生したのが新ブランドステートメント「世界の幸せをカタチにする。」だ。2016年2月には有明・武蔵野両キャンパスで新ブランド学内発表会も開催した。新ブランドのお披露目、プロジェクトチームによる宣言、ブランドビジョンに関する教職員のワークショップ等が行われている。では、「世界の幸せをカタチにする。」という宣言にはどんな思いが込められているのか。近代文明は技術発展を中心に、効率化・情報化・快楽・利便性といった形として分かりやすい「幸せ」を追い求めてきた感が否めない。「生きとし生けるものが幸せであるために」という仏教精神を踏まえ、もっと根源的なところに踏み込んでいくべきと学長は強調する。世の中には不幸な出来事も多いが、ただ幸せを願うだけで留まるのか、何か自分にできることを探して行動に踏み出すかでは大きく違う。「形」ではなく、「カタチ」とカタカナで表現したのも、物質的なものだけでなく、形のないものも包摂させるためだ。「世間受けする幸せ作りをしますよというのでなく、もっと力強い、動きのあるメッセージを発信したかった」と西本学長は述べる。新ブランドステートメントは、3つの柱(「感性を磨き合う」「知恵を開き合う」「響創力を高め合う」)からなるリクルート カレッジマネジメント201 / Nov. - Dec. 20161996年度GPA制度の導入1999年度シラバスの作成2004年度全学部男女共学化CAP制導入2006年度GPAの卒業要件化2010年度「武蔵野BASIS(全学共通基礎課程)」スタート2014年度学年制導入体系的カリキュラムの構築(コアカリキュラム化)武蔵野Learning Square(ラーニングスクエア)の整備2015年度4学期制一部導入(2016年度から全学導入)DP・CP・APの再構築と連動する授業評価の実施図表1 武蔵野大学における教育改革の軌跡図表2 新ブランドマークつのポリシーの具現化特集

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