カレッジマネジメント201号
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44リクルート カレッジマネジメント201 / Nov. - Dec. 2016グローバル視点での地域貢献桃山学院大学の建学の精神は、「キリスト教に基づく世界の市民の養成」であり、教育ビジョンは「地域で、世界で、人を支える」です。こうした教育ビジョンを表す具体的なコンテンツはふたつあります。一つ目は、地域性(ローカリゼーション)と世界性(グローバリゼーション)のシナジー効果の体験です。ただ英語留学をするだけでは、形だけの空疎なグローバルでしょう。世界の地域で根を張って、地に足つけて人を支えるのが本学のグローバル化の考え方です。グローバルな視点で地域に貢献するということであれば、大学が所在する、大阪府和泉市の特産品である人造パールの商品企画が挙げられます。和泉市の人造パールは、全国で7割のシェアを占めるにも拘わらず、あまり認知されていません。これを、本学に留学している留学生を活用して世界に広められないか、中国の人造パールとはどう差別化するか等を、地元の組合に提案しています。さらに、地域貢献しながらグローバルな感性を修得しようと、インドネシアにおける国際ワークキャンプにも取り組んでいます。これは、本学の学生と現地学生がキャンプ隊を編成し、現地で児童養護施設の建設等に取り組むもので、1987年のスタート以来、30年続いているプログラムです。地元の人と触れ合いながら社会貢献をすることでグローバル性を身につけてもらうのが狙いで、こうした地域性と世界性のシナジー効果を身をもって体験することで本当の世界市民になってもらいたいと思っています。社会の中で能力や個性を磨く二つ目は、社会性(ソーシャリティ)と個性(アイデンティティ)のシナジー効果の体験です。本学は5学部4研究科あり、7000人弱の学生が学んでいますが、全学部が文系(人文・社会科学系)です。学んだことがそのまま職業に結びつく理系(自然科学系)に比べ、文系は「何のために大学に来るのか」が曖昧になっています。やまきの・になこ氏1961年生まれ1984年大阪大学工学部環境工学科卒業1986年大阪大学大学院工学研究科前期課程修了株式会社東洋情報システム(現 ㈱TIS)入社1990年桃山学院大学経営学部助手1991年桃山学院大学経営学部専任講師1997年桃山学院大学経営学部助教授2003年桃山学院大学経営学部教授(~現在)2008年桃山学院大学経営学部長(~2010年3月)2013年桃山学院大学経営学部長(~2015年3月)2016年桃山学院大学学長専門は、社会ビジネス自由な学風を活かし、社会性のある人材を育成桃山学院大学 学長牧野 丹奈子

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