カレッジマネジメント202号
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10リクルート カレッジマネジメント202 / Jan. - Feb. 2017た」に当てはまる者の約7割半が、3つ以上の他の中退理由にも当てはまっている。中退に当たって、経済的理由がほかの理由と関連しあって複合要因となり、錯綜した状態にあることが浮き彫りになっている。さらに、対象者の中退に影響を与える潜在的因子の存在を明らかにするために、11の理由について因子分析(最尤法)を行った。表1のように第1因子を「学習的要因」、第2因子を「経済的要因」、第3因子を「進路的要因」、第4因子を「心身的要因」と名づけた。対象者の中退に対して最も説明力が大きいのは「学習的要因」である。しかし、「経済的要因」はそれに次いで説明力が大きい。「経済的に苦しかった」「家庭に急変があった」「アルバイトが忙しかった」及び「仕事をしたいと思った」の間に強い関連が示され、第2因子を構成している。以上の結果から、経済的要因は中退に与える最大の要因ではないにしろ、他の要因と複合的に中退に影響を与えていることが明らかにされた。中退と奨学金の関連4中退者は奨学金の利用率が低い中退者の日本学生支援機構の奨学金(以下「奨学金」)の年齢層別の利用率を図6に示した。18歳〜24歳においては中退者の41.7%が奨学金を利用しているが、25歳〜39歳においては、年齢が上昇するにつれ、奨学金0102030405060%18歳~24歳25歳~29歳30歳~34歳35歳~39歳40歳~44歳41.726.617.714.216.551.542.133.722.621.9学生生活調査による奨学金の利用率※※出典:日本学生支援機構「学生生活調査」各年度のデータによる整理中退者調査による奨学金の利用率020406080100%奨学金を利用しなかった奨学金を利用した奨学金を利用しなかった奨学金を利用した生活費学費72.443.692.546.242.96.44.55.525.030.11.326.71.0保護者授業料減免アルバイトその他奨学金0.70.5学習経済進路心身学校生活に適応できなかったから.764-.039-.008.226勉強に興味や関心を持てなかったから.651-.019.220-.099単位が取れず卒業できそうになかったから.583.174-.064-.030経済的に苦しかったから-.047.740.012.305家庭に急変があったから-.078.608.057.308アルバイトが忙しかったから.208.525.138-.125仕事をしたいと思ったから.300.436.276-.252ほかにやりたいことがあったから.033.080.911-.045他の学校にかわりたいと思ったから.032.083.417.127しばらく休みたかったから.227.112.185.472病気やケガがあったから-.057.058-.005.467因子抽出法: 最尤法  回転法: Kaiser の正規化を伴うバリマックス法 a5 回の反復で回転が収束。出典:日本学生支援機構「平成26年度学生生活調査」表 1 大学中退に影響を与える4つの潜在的因子図 6 日本学生支援機構奨学金の利用率(単位:%)図 7 学費と生活費の負担割合

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