カレッジマネジメント202号
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16専修学校は、大学等と同じ「学校教育法」で定められている教育施設である。職業に必要な能力を育成すること等を目的としており、入学資格の有無等により3つの種類がある。一般に「専門学校」と言われるものは、高等学校の教育の基礎の上に教育を行う、高等教育段階の学習機会を提供するもので、全国で約2800校、約58万人の学生が学んでいる。専門学校は、18歳人口に占める進学率が全体のおよそ2割を占めるとともに、卒業者のうち卒業後すぐに就職する者の割合が他の学校種よりも高いほか、大学と比べて地元に就職する割合が高いことも大きな特徴である。このような状況は、高校生の意識にも表れている。リクルート進学センサス2016によれば、専門学校に進学するメリットとして上位(80%以上)を占める項目は、「自分の目指す仕事・職種につける」ことや、「自分のやりたい専門分野の勉強に集中できる」といったことであり、仕事・職業との結びつきに対する高校生の期待の大きさがうかがえる。これは、大学については、「将来の選択肢が広がる」や「学生生活が楽しめる」といった項目が上位に位置していることと比べ、対照的な特徴と言えよう。親の年収が上がるほど専門学校進学率は下がるここで、専門学校生の経済的状況に注目してみよう。近年明らかになってきた状況によれば、専門学校生は、同じ年齢層の学生が学ぶ他の学校種と比べて、低所得層の者が多い傾向がある。具体的には、専門学校生と大学生とで家庭の年収状況を比較すると、家庭の年収300万円未満の割合は、専門学校生が2割弱、大学生が1割弱であり、専門学校生のほうが低所得層の割合が高い(独立行政法人日本学生支援機構調べ(平成24年)、及び文部科学省調べ(平成25年))。また、高校生の進路と親の年収の関連を見た場合、四年制大学は親の年収が上がるほど進学率も上がるのに対し、専門学校は、親の年収が上がるほど進学率は下がる傾向も見られる(文部科学省調べ(平成25年))。特に私立の場合には、専門学校の授業料等の学生納付金として年間平均100万円を超える負担が求められる中、その支出のための収入源としては、家計からの給付だけでなく、奨学金やアルバイト等にも大きく依存している。家庭の年間収入が300万円未満の専門学校生の4人に1人が、授業料及び生活費の両方を学生本人が負担しているほか、いずれか片方を学生本人が負担している割合も含めると、本人が費用負担している学生の割合は全体の6割を占めている(文部科学省調べ(平成26年))。また、専門学校生の中でも、特に経済的に困難を抱える家庭の学生は、一般学生に比べて母子家庭が多いという傾向も見られる(文部科学省調べ(平成27年))。専門学校の修業年限は一般に短く、2年制の学科が最も多いところだが、必修カリキュラムが多く、朝から夕方まで授業のある専門学校生にとって、夜間や休日のアルバイトで授業料や生活費を捻出しているという現実は、学習時間の確保という点でも大きな課題と言える。そのような中にあって、専門学校生の中退者の数は、経済的理由を直接の原因とするものが全体の約1割を占めている。少ない専門学校生に対する経済的支援専門学校生に対する国による経済的支援としては、日本学生支援機構の奨学金が大きな割合を占めている。無利子奨学金と有利子奨学金を合わせて、対象課程に在籍する専門学校生のおよそ3人に1人が奨学金の貸与を受けてリクルート カレッジマネジメント202 / Jan. - Feb. 2017専門学校生に対する経済的支援の現状と課題白鳥綱重文部科学省 生涯学習政策局 生涯学習推進課 専修学校教育振興室長全国で約2800校・58万人が学ぶ専門学校
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