カレッジマネジメント202号
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19%)、医学部(62.8%)もあまり多くはない。先ほど、全体では女子のほうが、男子よりも県内出身者の割合が高いと述べた。これは法文、観光産業科学、教育等、県内出身者が多い学部ほど、女子学生数が多いことによる。一方、卒業後の就職先地域も、概ね入学状況と似た傾向がある(図表1)。2016年3月の医学部医学科を除く学部卒業者のうち、民間企業、公務員、教員の非正規雇用を含む就職者は884人だった。うち、県内就職の割合は63.1%に達する。県外は、東京の14.6%、福岡の2.8%が多く、九州全体では6.8%となっている。国立大学では珍しい「16単位未満除籍」「琉球大学学則」には、その歴史的な背景を反映して、国立大学のなかでもユニークな規定がある。1学年の修得単位が16単位未満の場合(医学部医学科は1年次のみ)、除籍というものだ。なお、卒業要件の単位数は学部・学科ごとに異なり、法文学部等では124単位、農学部等では126単位となっている。この制度は、開学当時からあった。1951〜52年の大学通則には「前学期の成績が少くとも9単位を得ない学生は退学を命ぜられる」(または次の学期に仮在学を許され、成績回復の機会を与えられる)とある。1970年頃の学則でも、学期あたり9単位未満で除籍とされた(どちらも卒業要件は128単位)。今でいうナンバリングも、キャップ制も、昔から続いてきた仕組みのようである※2。退学・除籍の現状と開学以来の指導教員制度琉球大学を中退となる場合、現行制度では大きく3パターンある。「願い出による退学」(自主退学)、「懲戒処分としての退学」(懲戒退学)、「除籍」(懲戒処分ではない)である。除籍となる理由には、先の単位不足のほか、授業料未納や在学期間超過等がある。なお、自主退学や除籍の場合(在学期間超過除籍等は除く)、本人の申請で1回に限り再入学できる。2015年度の場合、学部の退学者数と除籍者数の合計を在籍者数7318人で割り中退率を算出すると、2.34%となる。過去5年で見ると、退学者の数と除籍者の数は、同じくらいだった。退学または除籍の理由のうち、最も多いのは単位不足(除籍)である。次が進路上の理由(退学)であり、授業料未納(除籍)、経済的理由(退学)が続く。「授業料未納かつ単位不足」というケースも少なくない。文部科学省「学生の中途退学や休学等の状況について」(2014年9月)を基に、2012年度の国立大学の学部のみの中退率を算出すると1.22%となるから、先の2.34%は少し高めの値といえる。独自の「16単位未満除籍」の存在感は大きく、以前から、退学者・除籍者の割合が工学部などで高いことは学内で課題とされてきたが、これは成績評価が厳格であることと表裏の関係でもある。除籍された学生のうち、おおよそ4割程度は再入学をするというから、この制度は学生の発奮材料となっている面がある。そもそも、除籍とならないように、勉学を促すというのが制度本来の趣旨だろう。そこで他大学のように、「1年目は指導にとどめ、そのうえで2年目も単位が取れなかった場合に除籍」とする等の柔軟な運用も、検討が必要と尾原敏則学生部長は話す。もっとも、単位不足による除籍は、20年ほど前に比べて目立つようになったとされるが、この数年減少している。琉球大学は開学初期からミシガン州立大学をモデルとし、「指導教員」制度を確立している。現在、学部ごとに年次指導教員が配置され、履修や修学、学生生活、進路などにリクルート カレッジマネジメント202 / Jan. - Feb. 2017図表1 地域別入学者・就職者割合特集 中退予防の処方箋その他九州中国・四国近畿中部関東北海道・東北沖縄1.510.13.55.04.86.82.066.363.10.818.82.93.53.56.80.6学部入学者(1621人)の出身地(%)学部卒就職者(884人)の就職先(%)

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