カレッジマネジメント202号
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21リクルート カレッジマネジメント202 / Jan. - Feb. 2017(朴澤泰男 国立教育政策研究所高等教育研究部総括研究官)が掲げられていた。かつての移民の子孫など、沖縄県系人の「ホーム・カミングデー」ともいえる県主催行事であり、琉球大学でも、展示や連携イベントを行っている。琉球大学は戦後、地域住民の強い希望で創設されたが、その際、「移民県」である沖縄の歴史を反映して、ハワイの県系人からの設立要望も見られたという。最初期の沖縄系移民は、1900年到着のオアフ島への集団移民とされる(石川友紀「沖縄県における出移民の歴史及び出移民要因論」『移民研究』創刊号、2005年)。1940年時点の沖縄の海外在留者はブラジル、ハワイ等に多いが、実はパラオなどミクロネシア(旧南洋群島)への移住者は、さらに多かった(宮内久光「南洋群島における沖縄県出身男性移住者の移動経歴」『立命館言語文化研究』20巻1号、2008年)。そのパラオをはじめとする太平洋島嶼地域の短大からの編入学制度が現在、検討されている。英語によるプログラムの拡充の一環だが、こうしたグローバル戦略にも、沖縄の地域性が見て取れよう。中期計画では「第3期中期目標期間中において外国人留学生等の年間受入れ者数を第2期比で20%増加させる」ことを目標とする一方、「亜熱帯・熱帯、島嶼・海洋、琉球・沖縄文化、健康・長寿の分野における国際共同研究を促進したり留学生の受け入れ・派遣を拡大するため、アジア・太平洋地域に5カ所以上の海外拠点を設置する」ことや、沖縄県系人留学生・研修員の受け入れ等の実施も目標に掲げた。「短期研修等を含む学生の海外派遣者数を第2期比で20%増加させる」ことも盛り込まれた。琉球大学卒業後は、県外就職活動を支援する旅費支給制度もあり、東京への就職も少なくないことは先に触れたが、沖縄にも一定の県外志向がある。沖縄県の高校からの国立大学進学者のうち、県外進学者が近年は約3割まで増えてきたし、琉球大学の進路変更による退学者の中にも、県外進学のケースがあるかも知れない。教育プログラムの魅力をさらに高めることで、リテンションにつなげることも期待されよう。16単位未満除籍、指導教員、後援財団等、昔からあるために、普段はその固有性が明確に意識されないような制度が琉球大学には少なくない。それらが有効に機能していることが、今回の訪問でも確認できた。アメリカの影響を色濃く残しながらも、教職員や関係者の努力を実らせ、近代沖縄の歴史にも向き合いつつ独自の発展を遂げようとする琉球大学に学ぶ所は多い。特集 中退予防の処方箋※1琉球大学の歴史については大学沿革誌、認証評価自己評価書、石渡尊子「戦後沖縄における家政学教育の出発」『家政学原論研究』第47号、2013年等を参照。※2(琉球大学二十周年記念誌編集委員会『琉球大学創立20周年記念誌』1970年)。事業の移行ⅰ 課外活動支援事業ⅱ リーダーシップ セミナー事業ⅲ 就職活動支援事業ⅳ 学会発表支援事業ⅴ 留学生支援事業原資の移行ⅰ留学生後援会由来原資の移行ⅰ学内募集由来事業の移行寄附金寄附金寄附金ⅰ学資金支援事業※学生援護会は2016年12月期まで募集。2017年1月以降は、修学支援基金として募集を行う。※移行後も、事業に関する事務については、引き続き学生課が行う。寄附金の使途(琉大基金、修学支援基金)を予め特定する。教職員・生協等教職員・生協等個人・企業等<目的>修学支援の寄附金拡充のため、税額控除対象法人となるべく申請要件を整備琉球大学基金・ 琉球大学基金規程第3条第1項に定める以下の事業を実施。 ⅰ教育・研究推進事業、ⅱ学生に対する奨学等事業、ⅲ社会との連携事業、ⅳ国際交流事業、ⅴ施設・設備整備事業・ 上記ⅱの事業のうち、経済的理由により修学に困難がある学生の支援を行う事業は修学支援基金が実施する。学生援護会・ 2016年度事業まで実施し、2016年度の決算終了後に解散。ただし、既存の事業について、見直しを含めた検討を行ったうえで、琉球大学基金または修学支援基金の実施事業として継続実施する。・ 上記の決算終了後、残額について、学内募集由来寄附金は修学支援基金に移行し、留学生後援会由来寄附金は、琉球大学基金に移行する。琉球大学修学支援基金・ 琉球大学基金規程第5条第1項により、特定基金として設置・ 事業を、経済的理由により修学に困難がある学生に対する ⅰ授業料減免事業、ⅱ奨学金事業、ⅲ留学支援事業、ⅳTA,RAに対するサポート事業のみとし、他の寄附金と区別して管理。・ 修学支援基金運営委員会を設置し、2017年1月から寄附金募集を実施。図表3 学生援護会を琉球大学基金及び琉球大学修学支援基金へ移行することについて
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