カレッジマネジメント202号
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40リクルート カレッジマネジメント202 / Jan. - Feb. 2017大学は、最終学歴となるような「学びのゴール」であると同時に、「働くことのスタート」の役割を求められ、変革を迫られている。キャリア教育、PBL・アクティブラーニングといった座学にとどまらない授業法、地域社会・産業社会、あるいは高校教育との連携・協働と、近年話題になっている大学改革の多くが、この文脈にあるといえるだろう。この連載では、この「学ぶと働くをつなぐ」大学の位置づけに注目しながら、学長及び改革のキーパーソンへのインタビューを展開していく。各大学が活動の方向性を模索するなか、様々な取り組み事例を積極的に紹介していきたい。今回は、「自律と創生」を理念に掲げ、COC+、AP等も活用して教育改革に取り組んできた新潟大学で、髙橋姿学長にお話をうかがった。社会に出てからのミスマッチを懸念新潟大学の髙橋姿学長に人材育成上の課題を痛切に感じさせたのは「3年3割」という言葉だったという。言うまでもなく、大卒者の3年以内離職率が3割程度で高止まりしていることを指す。「ミスマッチングの極みです。転職しているなら否定するところではないかもしれませんが、それにしても、今の日本では3割は多すぎるのではないか」。大学がその3年間の実態を把握することは難しいとしつつ、髙橋学長は「原因が分かれば、どういう教育が足りなかった、どういうキャリア指導が間違っていたと、教育を変えることができる」と思いを語る。もう一つの問題意識として、地域に対する役割がある。例えばCOC+では、地域内就職率の10%向上が達成目標の一つになっている。しかし髙橋学長は、その10%の中身を問う。「東京の大企業のことも知っています、その選択肢もありました。けれども私は、地元に残ります」、そんな地元就業を目指したいという。地域で学ぶ「ダブルホーム制」ミスマッチ対策でも地元就職率向上策でもよく活用されるインターンシップだが、髙橋学長は「就職活動の一環ではなく、教育としてのインターンシップを、もっとやってもらいたいと思うんです」と言う。一方で、医学部出身の髙橋学長は医師のインターン制度とその変化を間近に見てきた。かつてはもっぱら付属病院で現場を体験させてきたのが、10年ほど前からは、大学病院以外の病院、さらには県内に多いいわゆる僻地医療の現場を含め、診療所、保健所、行政等の現場にもインターン生を出すようにした。そのような現場を知ることで学生の意識が変わり、アクティブに学ぶようになる事例を見てきたという。また、教育としてのインターンシップを考えるに当たり、髙橋学長が注目したのが、新潟大学独自の取り組みとして2007年度から行われている「ダブルホーム制」だ。学生が所属する学❺新潟大学ダブルホーム制度を起点に、学生の主体的学びを育てる仕組みづくり髙橋 姿 学長
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