カレッジマネジメント202号
9/54
9リクルート カレッジマネジメント202 / Jan. - Feb. 2017布はそれぞれ「30歳未満」20.6%、「30〜39歳」47.5%、「40歳以上」31.9%である。大学中退者本人を対象とする量的研究が欠如する中、本調査は大変貴重な個票データを収集している。ウェブモニター調査の結果から、大学中退における経済的理由の影響、中退者の大学生活、奨学金利用及び調査時の就業状況を紹介し、求められる支援策を提示したい。約3割が大学中退に当たって経済的理由の影響を受けた大学を中退した理由を複合的に捉えるために、図3に示す11の理由それぞれについて4件法で質問した。その結果は、「当てはまる」と「まあ当てはまる」の比率を合わせると、最も割合が高いのは「勉強に興味や関心を持てなかった」(65.9%)、「学校生活に適応できなかった」(63.0%)、「単位が取れず卒業できそうになかった」(56.2%)である。しかし「経済的に苦しかった」も30.1%であり、最も重要な理由ではないにしろ、対象者の約3割が中退に当たって経済的困窮の影響を受けている。この割合は、文部科学省の大学調査の結果より約10ポイント大きい。さらに、大学時代の家庭年収が400万円未満の対象者に限定すると、「経済的に苦しかった」に当てはまる比率は約50%となる。経済的理由を含む複合要因の存在が明らかに一方、「経済的に苦しかった」に当てはまり、ほかの10の理由のいずれにも当てはまらない回答者は1割以た」と「単位が取れず卒業できそうになかった」のいずれにも当てはまる者は「経済的に苦しかった」者の25.8%、「アルバイトが忙しかった」と「単位が取れず卒業できそうになかった」のいずれにも当てはまる者は「経済的に苦しかった」者の28.6%を占めている。図5は経済的理由の該当者が他に当てはまる中退理由数の分布を示している。「経済的理由+他6つ以上の理由」に当てはまる者が最も多く、「経済的に苦しかった」者の28.6%を占めている。「経済的理由+他5つの理由」に当てはまる者は20.3%である。全体的に、「経済的に苦しかっ下にとどまる。中退に及ぼす経済的理由の影響は、ほかの多くの理由と錯綜していることが示唆される。図4のように、「経済的に苦しかった」は他の7つの中退理由のいずれとも統計的に有意な相関を持っている。とりわけ、「経済的に苦しかった」と「家庭に急変があった」の相関係数(.568)、「経済的に苦しかった」と「アルバイトが忙しかった」の相関係数(.354)が大きい。パーセンテージで説明すると、「経済的に苦しかった」者のうち、43.8%が「家庭に急変があった」にも当てはまり、36.9%が「アルバイトが忙しかった」にも当てはまる。さらに、「家庭に急変があっ0.00.10.20.30.40.50.6家庭に急変があったアルバイトが忙しかった仕事をしたいと思ったしばらく休みたかった病気やケガがあった単位が取れず卒業できそうになかった他の学校にかわりたいと思った.077*.093*.169***.200**.201**.354***.568***経済的理由+他6つ以上の理由経済的理由+他5つの理由経済的理由+他4つの理由経済的理由+他3つの理由経済的理由+他2つ以下の理由010203040%28.6%20.3%13.4%13.8%23.9%特集 中退予防の処方箋図4 経済的理由と他の7つの理由との有意な相関係数図5 経済的理由+他の複数の理由による中退の割合
元のページ
../index.html#9