カレッジマネジメント203号
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22リクルート カレッジマネジメント203 / Mar. - Apr. 2017産業構造が大きく変化するなか、これからの社会では、様々な職業分野で高度な実践力を基盤としつつ、新たな分野を開拓できる創造力を備えた人材の活躍の場が広がると考えられる。こうした人材の養成強化を図るため、現在文部科学省では、実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関である「専門職大学」及び「専門職短期大学」(いずれも仮称。以下同じ)の制度化に向けた検討を進めている。「専門職大学」等は、大学制度の中に位置付きつつ、実践的かつ創造的な専門職業人の養成に特化した機関として、独自の枠組み・基準により制度化されるものであり、平成31年度からの開学が可能となるよう、本年通常国会に関連法案を提出することを目指している。本稿ではその検討経緯と制度化の方向性について解説する。中央教育審議会での制度化検討新たな高等教育機関については、政府の教育再生実行会議「第五次提言」(平成26年7月)でその制度創設が要請されて以降、文部科学省の有識者会議及び中央教育審議会による検討が重ねられてきた。その成果として、昨年5月には中央教育審議会の答申がとりまとめられ、新たな機関の制度設計の方向性等が示されたところである。文部科学省では、この答申を踏まえ、制度の具体化の検討や、必要な法令整備の準備を進めている。(1)基本的な設計制度設計の方向性(中央教育審議会答申[平成28年5月])【修業年限】・修業年限は4年(「専門職大学」)又は2年若しくは3年(「専門職短期大学」)。・4年制の課程については前期・後期の区分制とすることも可。【 学位 】・4年制課程の修了者には「学士」相当の学位を、2・3年制課程の修了者及び4年制の前期課程の修了者には「短期大学士」相当の学位を授与。①理論と実践の架橋、②産業界・地域のニーズの適切な反映、③社会人の学び直し等への対応、④高等教育機関としての質保証・実践的な職業教育に相応しい教育条件の整備、の4つの視点から、必要な制度を整備。【教育内容】・「実践力」と「創造力」を育成する教育課程。(2)具体的制度設計実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の検討経緯と制度化の方向性塩原誠志文部科学省 高等教育局主任大学改革官

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