カレッジマネジメント203号
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32メイ・ウシヤマ学園は、近代美容教育のパイオニアとして国内にトータルビューティの概念を広めるとともに、「総合力」と「専門力」を身につけ、ビューティビジネスを牽引できる人材を長きにわたり輩出してきた。1925年にハリウッド美容講習所を設立して以来、ハリウッド美容専門学校(美容科・トータルビューティ科)に加え、世界初のビューティビジネス専門職大学院であるハリウッド大学院大学(ビューティビジネス研究科)を2008年に設立する等、21世紀のリーディング産業であるビューティビジネスの根幹を担うイノベーターを育成し続けている。そのカギを握るのは、理論と実践を有機的に結合させ、教育生産性を重視した教育体系である。本稿ではメイ・ウシヤマ学園の具体的な教育体系やそれを支える理念等について、ハリウッド大学院大学の学長を務め、ビューティビジネス論の専門家でもある山中祥弘理事長にお話をうかがった。職業教育体系と社員教育体系のミスマッチかつての日本の社員教育体系は世界最高レベルと称されていた。しかしバブル景気崩壊以降、派遣や臨時といった非正規雇用が増え、多くの企業では人材育成ノウハウや企業文化が薄れ、社員教育力も低下したために、経営活力は低下し、経営立て直しが困難となった。その結果、大学・専門学校等の高等教育機関における職業教育による人材育成が期待されるようになった。しかし、学校の職業教育体系と企業の社員教育体系のミスマッチは未だ大きな課題となっている。山中理事長は大学・大学院の学生であった当時より、日本社会における人材育成、とりわけ職業教育や社員教育に強い関心を持っており、「企業の成長のためのみならず、地域開発のためにも、アメリカ並みの産学協同教育が必要である」と考えていたという。卒業後は中小企業向けのベンチャーキャピタル(東京中小企業投資育成(株))で活躍した実績も持つ。近年、未来の日本型職業教育に関する議論が活発になされているが、山中理事長は「産業教育振興法※での言葉を定義し直すことが、まずは大事ではないか。戦後復興に大きな貢献をしたことを、再評価すべきである」と苦言を呈する。大学進学率が10%程度であった1951年に施行された産業教育振興法では、職業教育に重点を置く専門校を設置する等、職業教育体系を整え、戦後復興に必要な人材育成の礎となった。大学進学を取り巻く環境は当時と異なるが、産業社会に寄与し得る職業教育について本腰を入れて検討していくのであれば、この指摘は看過できないであろう。教育生産性をいかに向上させるか山中理事長は、職業教育体系と社員教育体系のミスマッチを正すためには、学校における「教育生産性」を向上リクルート カレッジマネジメント203 / Mar. - Apr. 2017理論と実践の有機的結合により教育生産性を重視した専門職生涯キャリア教育山中祥弘 理事長C A S Eビューティ領域メイ・ウシヤマ学園

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