カレッジマネジメント203号
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34リクルート カレッジマネジメント203 / Mar. - Apr. 2017らに美容室経営の基礎が学べる理論と実践の結合した4年間一貫教育を展開している。 美容業界を代表する技術者や経営者との提携による学校教育、現場研修から就職までの産学協同教育システムであり、美容師免許取得と大学院へ進学できる大学卒業同等の資格(高度専門士)を取得できる、日本で唯一の学校である。ハリウッド大学院大学のビューティビジネス研究科では、ビューティビジネスに直結する高度な知識やスキルを効果的に修得できるプログラムが組まれている。経営学・会計学・マーケティングといったビジネス基礎科目は、高い学識を持つ研究者教授が担当し、サロンや化粧品店等の業態別のマネジメントや従業員の技術評価といった実務的な発展科目は実務家教授が担当する等、理論と実践をバランス良く学べる内容となっている。生涯を視野に入れた専門職キャリア教育「技術」と「経営」、どちらにシフトしても同じ業界内で動くことになる。つまり、美容・化粧品業界に就職した人は、同じ業界内でキャリアチェンジをすることが可能となり、それは業界から見れば人材をストックできることにほかならない。日本の労働市場を踏まえ職業教育について議論する際には、「就社(組織に属するフローマーケット)と就職(職を得るストックマーケット)の概念はきちんと分けるべきである」と山中理事長は念を押す。メイ・ウシヤマ学園では、「特定企業への就社を目的とするゼネラリスト教育」だけでなく、「専門職に就職するためのスペシャリスト教育」にも力を入れている(図表3)。「生涯キャリア開発センター」を設置し、就職転職支援・経営支援・紹介派遣等を行っている。また、キャリア教育の種類を「キャリアゲット(Career Get)」「キャリアアップ(Career Up)」「キャリアリフレッシュ(Career Refresh)」「キャリアチェンジ(Career Change)」に分類し、生涯を通じての専門職キャリア教育にも力を入れている。「キャリアゲット(Career Get)」は、「就職力(就職決定率)」を教育目標に掲げ、新卒学生を対象に「学校卒業後の就職・就社を目的とする基礎的教育」を行うものである。このような教育は、多くの大学でも今や一般化しているだろうが、他の3つは卒業生を含めた社会人を主な対象としており、生涯にわたるキャリアの転機(トランジション)に対応した、メイ・ウシヤマ学園の特徴的な教育といえるだろう。まず「キャリアアップ(Career Up)」は、「専門職力(専門職昇格)」を教育目標とし、昇格希望社会人を対象に「在職または転職後に高度な専門職への昇格教育」を行うものである。続いて「キャリアリフレッシュ(Career Refresh)」は、「復職力(旧職場復帰)」を教育目標とし、休職者の現役復帰を目的に「休職後に元の職場職種に復帰への再教育」を行うものである。結婚や出産を契機に休職し、タイミングを見て復職を希望する女性は多い。しかし、現状では、元の職場職種に復帰することは難しい。美容業界には多くの女性が就職しており、このような教育に対する期待やニーズは大きい。最後に「キャリアチェンジ(Career Change)」は、「転職力(新職種転換)」を教育目標とし、転職希望社会人を対象に図表2 メイ・ウシヤマ学園の大学院・専門学校カリキュラム学校学科課程・年限内容ハリウッド 美容 専門学校美容科高度専門課程高度専門士専門課程専門士1年美しく輝くトータルビューティ基礎を学習体験2年美容師免許とビューティ特技を磨き免許・資格3年高度専門職資格と系列サロンでインターンシップ4年提携サロンで技能と経営の実務実践能力養成通信課程(3年間)通勤・通学期間に美容師免許トータルビューティ科高度専門課程専門課程専門士1年美しく輝くトータルビューティの基礎を学習体験2年ビューティ特技の認定資格・ビューティアドバイザーコース・エステティシャンコース専門課程1年美しく輝くトータルビューティの基礎を学習体験通信課程1年エステティックの理論と技術ハリウッド大学院大学ビューティビジネス研究科修士課程修士2年コース1年理論と実践をケーススタディによる産学共同研究2年実践的ビジネスモデルのプロジェクト研究成果発表1年コース(短期集中)産学協同によるケーススタディにより実践性プロジェクト研究発表
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