カレッジマネジメント203号
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53ルーブリック活用状況の実際始めに、企業の新卒採用面接現場で、どれくらいルーブリックが使われているのか、データの分布状況を紹介しておこう。調査では、「あなたが担当した面接では、採点基準表(ルーブリック)は使用されましたか。また、使用されていた場合、その基準表から計算された数値は、判断の基準としてどれほどの重要性を持っていましたか」という文言で質問したが、その回答分布を示せば、「かなり重要な基準として使われた」10.9%、「やや重要な基準として使われた」38.9%、「重要な基準として使われなかった・使用されなかった」50.3%となる※1。ただ、この分布は、内定を出すまでの面接回数がどれぐらいかによって大きく異なるものでもあった。「かなり重要な基準として使われた」と回答した者の比率を取り出せば、内定までの面接が1回だという企業関係者の場合は9.4%、2回だという関係者の場合9.1%、3回だという関係者の場合8.6%といずれも1割弱の値を示す一方で、4回以上の面接を課すという企業関係者の値は21.3%。じっくりと丁寧に選抜しているところは、評価基準に関しても力を入れているようである。では、こうした「ルーブリックの位置づけ×面接回数」という組み合せを用いながら、さらに「勤務先の採用面接に対する評価」を見た場合、どのような結果になるだろうか。単純に考えれば、優れた道具を用いながら時間をかけた面接を実施できているところほど強いとも推察されるが、結果を確かめれば、図表1のようになった。ここからは、内定まで4回以上の面接を課すところでは、もはやルーブリックに目立った効果が見いだせないことが読み取れよう。なるほど、時間の長さによって、道具をめぐる違いはかき消されてしまうようだ。他方で、ルーブリックの効果が如実に表れているのが、数少ない面接で選抜を行っている企業である。内定までの面接が1〜2回であっても、ルーブリックを「かなり重要な基準」としているところは、9割以上が「(勤務先企業の採用面接は)うまくいっている」と回答しており、「やや重要な基準」「重要な基準として使われなかった・使用されなかった」という企業関係者の回答との間に大きな距離を見ることができる。活用のための条件面接の回数や時間に制約があるところにこそ、ルーブリクルート カレッジマネジメント203 / Mar. - Apr. 2017図表1 面接回数別に見た「ルーブリックの位置づけ×勤務先採用面接評価」0102030405060708090100重要ではない・使用せずやや重要かなり重要重要ではない・使用せずやや重要かなり重要重要ではない・使用せずやや重要かなり重要重要ではない・使用せずやや重要かなり重要面接回数4回以上面接回数3回面接回数2回面接回数1回(%)ルーブリックの位置づけ勤務先の採用面接「うまくやっている」
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