カレッジマネジメント204号
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10リクルート カレッジマネジメント204 / May - Jun. 2017評価の力点に差があるものの、大学が3ポリシーを設定していることを前提とした評価を行っている。大学基準協会と大学改革支援・学位授与機構は、内部質保証を独立した項目として評価基準に盛り込んでいる。では、なぜ法令改正に至ったのだろうか。図1をご覧頂きたい。これは、先述のガイドラインに示された図を簡略化したものである。この図を見れば、3ポリシーと内部質保証の関係が分かる。つまり、大学が設定した3ポリシーに則してきちんと人材養成ができているのかを、認証評価機関が「内部質保証」を重点的に評価することで確認するというのが、第3期の大学の質保証の眼目である。しかも、ガイドラインとはいえ、カリキュラム・ポリシーでは学習成果をどのように評価するのかを定めるとされているので、早晩学習成果の測定も必要になるだろう。第2サイクルではどの評価機関もポリシーと学習成果を関連づけた評価を行っているとは言えないので、法令改正は一見大きな変化をもたらすようには見えないが、第3サイクルで各認証評価機関がどのように内部質保証を重視した評価システムに変えるのかは注視しなければならない。今次の法令改正によって内部質保証重視へと舵が切られた背景として、主に2つの要因があると考える。第1が、ボローニャプロセスとして知られているヨーロッパ高等教育圏全体としての質保証の動きである。そこで設定された大学の質保証の基準とガイドラインは、「内部質保証」、「外部質保証」、「質保証機関」の3部で構成され、最も重要な評価内容については「内部質保証」にそのほとんど全てが書かれている。ヨーロッパでは大学は国立である国が多く、イギリスのように一度設置認可された大学の組織改革が大学自身で自由にできること、それ故に授与する学位の質を自律的に検証するという文化をもともと有していたことが、内部質保証という仕組みを生み出すもととなっている。その内部質保証という仕組みが日本でも取り入れられたとみるべきだろう。第2は、認証評価の法制化以降、日本の大学に自己点検・評価という行為自体は定着したものの、乱暴な言い方をすれば、自己点検・評価が認証評価の義務をなぜ内部質保証重視なのか3図1 ガイドラインにおける3ポリシーの策定単位レベルの内部質保証のためのPDCAサイクル3つのポリシーの一体的な策定による選抜、教育、卒業の各段階目標の具体化3つのポリシーに照らした大学の取組の評価(Dの自己点検評価)自己点検・評価に基づく大学教育の改善・改革3つのポリシーに基づく、入学者選抜、体系的で組織的な教育の実施、学位授与認証評価内部質保証を重視した評価への発展・移行

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