カレッジマネジメント204号
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22大学基準協会(以下、「本協会」という)は、2011年度からの第2期認証評価から、内部質保証を重視する評価システムを導入した。また、併せてこの内部質保証システムを構築する上で重要な要素となる3つの方針(学位授与方針、教育課程の編成・実施方針、学生の受け入れ方針)等の明確化について大学に求めた。しかしながら、2011〜2015年度の5年間の評価結果から、この内部質保証に何らかの問題点(努力課題または改善勧告)を指摘された大学は、受審大学の約3割強、また、3つの方針の明確化、特に、学位授与方針に学習成果の明示がない、または不十分として問題点(努力課題)を指摘された大学は、受審大学の5割強となった。①内部質保証の一層の重視上記課題に対応して、第3期では、内部質保証システムを有効に機能させて、そのシステムが恒常的・継続的なプロセスとして学内に定着しているかなど、内部質保証の実質化を一層重視する評価へシフトすることとなった。②教育のPDCAの重視内部質保証の起点となる3つの方針を一体的に明確化し、こうした方針に則した学位プログラムを体系的に編成することが内部質保証の基盤となることを前提に、学位プログラムの適切な運用、教育プロセスや学習成果の検証、その検証結果を活用した学位プログラムの改善・向上の状況を重視することとした。③教学マネジメントの重視内部質保証は、各学部等における教育のPDCAを基本としつつも、それを全学的に運営・支援していく体制が極めて重要である。そのためには、執行部が中心となった全学的教学マネジメント体制を構築し、適切に展開していくことが求められ、こうした点を評価第3期認証評価の改革方向リクルート カレッジマネジメント204 / May - Jun. 2017大学基準協会による第3期認証評価の変更ポイント大学基準協会工藤 潤大学基準協会事務局長 大学評価・研究部長図1  新大学基準の構造(第3期認証評価基準)内部質保証の実質化に向けて4 学習成果6 教員・教員組織7 学生支援9 社会連携・社会貢献10 大学運営・財務2 内部質保証3 教育研究組織1 理念・目的8 教育研究等環境学位授与方針4 教育課程教育課程の編成・実施方針5 学生の受け入れ学生の受け入れ方針大学基準協会基準委員会作成

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